米国のエステートセール業者は、故人の遺品を現金化するプロであり、複数の販売ルートを活用しながら自宅に残された遺品を、できるだけ高値で売り切るノウハウを持っている。 (JNEWSについてトップページ
遺品を最大限に現金化するエステートセールの手法

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/5/9

 米国で行われるエステートセール(Estate sale)は、故人の私物を売却するガレージセールのことを指し、相続人からの委託を受けたエステートセールの代行会社によって開催されるケースが多い。最近では、高齢者が大きな家から小さな家にダウンサイズしたり、介護施設に入居するために家財道具を整理するためのセールも増えている。

裕福だった家からは、高級な家具食器、美術品ブランド古着などが多数出品されるため、リサイクルショップや ebayセラーの仕入ルートとしても活用されている。エステートセールは、自宅に来訪者を集めて家財道具を展示して売るスタイルが基本になるが、故人のプライベートを公開するのに抵抗が少ないのは、米国流の文化ともいえる。

エステートセール代行会社は、許認可が必要なく開業できることから、米国内では、15,000件以上の業者が存在するとみられている。彼らのビジネスは、自宅を会場としたガレージセールの開催と、高価なアイテムはオークション出品をして売却に成功した物品の総売上に対して、20~40%の手数料報酬を受け取る方式となっている。そのため、高額で売却するほど実収入も高くなり、依頼者(高齢者本人や相続人)との利害関係が一致する。

エステートセール代行には、大手のリサイクルショップが参入しているケースもあるが、こちらは、売れ残った物品を安値で買い取ることを目的としているため、エステートセールを専業としている中小業者のほうが人気が高い構造になっている。

バージニア州を営業エリアとしている「Myk-Beth's」は、海兵隊を退役したマイケル・オーテン氏が起業したエステートセール業者で、故人の自宅や、ダウンサイジングで不要となった家財道具を高値で売却するための代行をしている。

売却方法は、自宅を会場として1~3日間のセールをすることが基本だが、各商品に適正な価格設定をすることと、ネットと新聞への広告掲載、買いたくなるようなセール会場の演出をすることで、過去の実績では9割の家財道具を売却することに成功している。準備期間を含めると、およそ1週間で1件のエステートセールを完結させており、年間では100件を超す依頼がある。

セールの売上高に対して35%を同社の報酬、65%を依頼者の取り分としているが、売上が4000ドル未満の場合には、報酬率が50%になる。事前の査定で、どの程度の売上が見込めるかはわかるため、依頼者と相談した上で報酬率の契約がされている。また、セールで売れ残った物については寄付をすることで、廃棄するゴミは最小限に減らして、空になった家を売却するための清掃作業にも別料金で対応している。

Myk-Beth's
■エステートセールの紹介映像

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・遺品整理+特殊清掃の開業方法
・生前整理スペシャリストとしての開業
・米国エステートセールの仕組みについて
・遺品価値を高めるエステートオークション
・遺品を売りさばくエステートセール業者のノウハウ
・遺品をゴミ廃棄する国内業者の問題点
・需要が急拡大するデジタル遺品整理サービス
・トレジャーハンティング事業の立ち上げ方と着眼テーマ
・サブスク型高齢者生活支援サービスのビジネスモデル
・遺品整理業と廃棄パソコン無料回収のビジネスモデル

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2023.5.9
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ


(海外ビジネス事例)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2023年5月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon