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食事会に代わるイーターテインメントの交流スタイル

JNEWS会員配信日 2023/5/25

　若者を中心とした外食ニーズでは、高級な料理を楽しむグルメ志向は無くなり、カジュアルな料理でも、家族や仲間との親睦を深めたり、有意義な体験ができる店を求めるようになっている。その理由には、高級レストランの価格に、若い消費者は付いていけなくなっていることも関係している。

そこで、海外で注目されているのが「Eatertainment（イーターテイメント）」の業態である。これは、飲食業（イート）と人々を楽しませるエンターテイメントを融合させたもので、コンセプト自体は古くからあるものだが、セルフ注文機能を導入したクイックレストランの発展形として、コロナ収束後に見直されるようになっている。

イーターテイメントには多様な形態が考えられるが、わかりやすい事例として、ゲームセンターとレストランを融合させた施設が、米国では成長してきている。

「Dave & Buster's（デイブ＆バスター）」は、米国とカナダで150店舗以上を展開するイーターテイメント施設で、パスタ、ハンバーガー、ステーキ、シーフードなどの食事ができるレストランエリアと、各種のアーケードゲームやシミュレーターが揃えられたゲームコーナー、仲間やグループでスポーツ中継を観戦できるスポーツバーによって構成されている。

店内でゲームを楽しむには、最初に専用のカード（登録料3ドル）またはリストバンド（登録料10ドル）を入手して、ゲームをプレイためのチップ（ポイント）をチャージする方式で、１回あたりのチャージ金額によって、チップの購入単価（13セント～20セント）も変わってくる。

ほとんどのゲームは、5～7チップでプレイすることができ、高スコアを獲得すると、好きな賞品と交換することができる。ポイントの有効期限は無いため、何度も来店してポイントを貯めていくこともできる。ゲームの種類は、カップルやグループで楽しめるものが多く、恋人、家族、友人、同僚と来店して、食事とゲームで交流するスタイルが人気だ。

Dave & Buster'sの売上は、飲食代が35％、ゲームを主体とした娯楽代が65％という内訳になっている。一方で、接客はセルフサービスが基本となるため、人件費は福利厚生を含めて売上の24％と低く、従来の飲食業よりも高い営業利益率（約14％）を達成しているのが特徴である。

■Dave & Buster's
■店舗内ゲームの紹介映像

また、コロラド州デンバーにある「Ace Eat Serve」は、北京ダック、担担麺、手巻き寿司、豚骨ラーメンなどのアジア料理を提供するレストランだが、店内と屋外に10台以上の卓球台を設置することで、グループや団体客の集客に成功している。卓球台は１時間あたり25ドルで利用することができ、その他にも25～150人が集まれるレンタルルームもある。食事をしながら卓球を楽しむ交流スタイルは、誕生会、結婚式、企業のイベントとしても広がっている。

■Ace Eat Serve
■店内の紹介映像

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■JNEWS会員レポートの主な項目
・イーターテインメントの新たな交流スタイル
・イーターテイメントが注目される理由
・１人で外食をするソロダイニングの心理
・ソロ客向け飲食業態の開発モデル
・ソロ客専門焼肉店の採算構造
・セルフオーダーレストランの採算性
・社会行動学からみたセルフ注文の特性
・接客人材の人手不足が深刻化する理由
・エッセンシャルワーカーから脱するファミリービジネス
・中小事業で深刻化する人手不足の要因と労働市場の急変
・セルフオーダー端末による飲食店の客単価向上と経営改革

■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2023.5.25
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