リモートワークの普及に伴い、長期休暇中でも必要に応じて仕事ができるシェアオフィス完備のリゾート施設が人気となっている。「ワーケーション」と呼ばれ、新たな有給休暇の取得スタイルとしても注目されている (JNEWSについてトップページ
仕事とバカンスを兼用するワーケーション施設の開発

JNEWS
JNEWS会員配信日 2020/6/29

 日本や米国と比べると、欧州は有給休暇の取得日数が多くて、英国、フランス、ドイツ、スペインなどでは、有休消化率がほぼ100%となっている。ドイツには「連邦休暇法」という法律があり、労働者には病気休暇とは別に、1年に24日以上の有給休暇を取得する権利が与えられている。企業がこのルールに従わなかった場合には罰則が与えられるため、有給休暇の消化率が高いのだ。

そのため、欧州では長期休暇向けのリゾート施設が多数開発されている。近年はリモートワークの形態が普及したことから、休暇中でも必要に応じて仕事ができる環境が用意された、ワーケーション対応の施設が人気となっている。

スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島にある「Coworking in the Sun」はその一つで、自然豊かな環境の中にあるワーケーション施設として経営されている。


テネリフェ島は、1年を通して温暖な気候が安定しおり、世界遺産にも登録されているテイデ火山や、マリンレジャーが楽しめるビーチやテーマパークもあるため、スペイン本土からの他にも、英国、ドイツ、フランスから家族連れで長期休暇を楽しむリゾート地として人気が高い。

「Coworking in the Sun」は、リゾート地の中にあるコワーキングオフィスが主体の施設で、高速のネット回線、20席の共用デスク、ビデオ会議に対応した防音対応の個室ブース、ミーティングやセミナーも開催できる会議室が完備されている。

さらに、テネリフェ島で各種レジャーを楽しむためのオプショナルツアーの紹介、スペイン語のレッスン講座、他の旅行者との交流ができるバーベキューイベントなども定期的に開催しているのが、「仕事のみ」を目的とした都会のコワーキングオフィスとの違いである。Coworking in the Sunの利用体系は、現地に滞在する日数によって1日~12週間までの料金が設定されている。

《Coworking in the Sunの料金体系》

Coworking in the Sun
■現地の自然環境と施設の紹介映像

 仕事とバケーションを兼ねたワーケーションは、柔軟な働き方を求めるフリーランスの中から生まれたスタイルだが、欧州では有給休暇取得の法制化に伴い、企業の福利厚生サービスとしても市場が拡大している。

これは、忙しい都会の日常から一時的に離れて、自分と向き合う時間を作る「リトリート休暇」の市場ともリンクしている。仕事のやり過ぎによる燃え尽き症候群(バーンアウト)やうつ病者の増加により、社員向けのメンタルヘルス対策が求められる中、リトリート休暇を定期的に与える企業は増えてきている。リトリート(retreat)は、都会からの避難や隠れ家を意味している。

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