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クーポンマーケティングによる
集客コストの革命と死角
written in 2010/5/19
事例:Groupon

 全国的に普及している商品の売価は、市場の動向によって決まるため、いくら新たなビジネスモデルといっても、本当に人気の商品が7割引の安値で購入できることはないはずだ。そこで、ショッピングコミュニティの中でも躍進中の「Groupon(グルーポン)」が着目したのが、地域商店などを対象としたローカル市場で、しかも取り扱う商品はモノでなくて“サービス業の在庫”である。

たとえば、レストランが保有している在庫といえば、曜日や時間別にみた座席数になるが、どんなに人気のレストランでも、営業時間中にすべての座席が稼働していることはなく、収益を生み出していない在庫はたくさんある。このような無形の遊休在庫を、クーポン券として商品化してタイムセールで特売することにより、集客支援をしようとするのが、グルーポンが手掛けるビジネスの発想だ。

グルーポンは単にタイムセールを実施するのではなくて、共同購入のモデルを導入しているのが特徴。レストランが店をPRする目的で、50ドル分の食事ができるクーポン券を25ドルで販売するとしよう。これで実質的に50%割引の特売セールをすることになるわけだが、店としては割引の見返りとして、多数の来店客を期待したい。

そこで、グルーポンからタイムセールで発売されるクーポン券には「700名以上の購入で取引成立(例)」という条件が付けられている。その注文件数が 700名に満たない場合にはクーポンは販売されずに、レストラン側は広告料やキャンペーン代など一切の料金を支払う必要はない。注文者が 700名を超えた場合にのみクーポンが発行されて、その販売代金(例:25ドル×クーポン購入者数)の一部を、成功報酬としてグルーポンが受け取る仕組みになっている。

Groupon(グルーポン)
  http://www.groupon.com/

《グルーポンによるクーポン販売の流れ》

  

レストラン側にしてみると、従来の広告は多額の資金を投じながらも、実際の集客効果が薄ければ、広告費が無駄になってしまうというリスクを抱えていたが、グルーポンのキャンペーンは、あらかじめ設定した人数を上回る集客(クーポン購入者)があった時にのみ、成功報酬を支払えば良いため、完全なリスクフリーの形で宣伝活動をすることができる。
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この記事の核となる項目
 ●売り切り支援をするフラッシュマーケティング
 ●deal of the day セールの基本的な仕組み
 ●ブランド品を特売するショッピングコミュニティの事業モデル
 ●急成長するグルーポンのビジネスモデル
 ●グルーポンによるクーポン販売の流れ
 ●ローカル市場におけるサービス在庫の価値
 ●ゴルフ場が遊休在庫をクーポン販売する流れ
 ●クーポン利用者の消費行動について(レストランの場合)
 ●クーポンマーケティングによる集客コストの考え方
 ●割引クーポンキャンペーンに適した業界とは
 ●割引クーポンによる集客コストの計算式
 ●遊園地のクーポン販売による集客例
 ●急成長のクーポンビジネスに死角はあるか?
 ●消費者が求めるサービスのマネタイズ化と電子マネー社会
 ●忙しい現代人が追求する“時間の経済性”で高まる予約権の価値


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JNEWS LETTER 2010.5.19
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