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団塊オヤジを夢中にさせる
ハーレーダビッドソンのファン育成事業
written in 2008/2/3
事例:Harley davidson

Harley davidson  芸能界でタレントが成功するには、テレビ番組にたくさん出演してお茶の間の人気者になるというのが王道だが、それでも人気が長く続くとは限らない。逆に露出度が高すぎると視聴者に飽きられるのも早くなり、一発屋で終わってしまうことが少なくない。一方、テレビへの露出は少なく、CDが大ヒットしているという様子もないのに、長年の活動を続けられている歌手もいる。それどころか新車のベンツに乗り、自宅は豪邸とかなり羽振りは良いようだが、彼の収益構造はどうなっているのだろうか?

それを探るヒントは“ファンの熱狂度”にある。ファンの数でいえばテレビで毎日のように見かける国民的人気タレントのほうが多いのは明らかだろう。しかしそのファンは熱狂的とはいえず「テレビでよく見ていますよ」という浅いレベルである。そのため、彼らの収入はテレビの出演料やCM契約料が主体だ。ところが熱狂的なファンを持つカリスマ・アーティストというのは、そのファン一人ずつが年間で何万円、何十万円というお金を彼のために費やしてくれるため、ファンの数は少なくても十分な収入が成り立つのだ。

この“熱狂性”というのは不思議なもので、自分がひいきにしているアーティストがメジャーになりすぎると力が衰えてしまう。一般大衆にはわからなくても、自分には彼の魅力がわかるから支えてあげたいという気持ちが、熱狂的なファン心理を生むようである。そこで百万人の浅い視聴者を相手にするより、数万人の熱狂的ファンを大切にしていこうとするアーティストが増えてきている。そんな活動ができるようになったのも、テレビを通さなくても、ネットからメッセージや作品をファンに対して直接発信できるようになったことが寄与している。

芸能界に限らず、企業にとっても「熱狂性」は新たなキーワードとして注目しておく必要がある。日本人一人あたりが一ヶ月で使うお金は約18万円というのが平均値。その中には生活費も含まれているため、自分の好きなことのために使える金額は5万円前後といったところで、子育て中の世帯なら、それよりも余裕がないというのが実情だろう。そこで企業は、経済的に余裕がある富裕層を顧客対象として狙いはじめているが、それだけでは現在の高額消費を説明できない部分がある。高級バイクのハーレーダビッドソンに3百万円以上を注ぎ込んでいるのは、必ずしも富裕層ではなく、普通のオヤジであることが少なくないのだ。

収入と支出のバランスからすれば明らかに分不相応でも、自分の趣味や思い入れのある分野では熱狂的な買い物をする消費者がいて、彼らに支えられているメーカーやショップは魅力的な収益を得ることに成功している。それを見た同業他社でも「熱狂的な顧客を育てるにはどうしたらよいのか?」を研究しはじめている。ただしこの“熱狂性”にも弊害があり、彼らを失望させたり、裏切るようなことがあれば手強い批判を浴びてしまうことがよくある。程度の差はあっても、最近の消費者は熱狂性を帯びてきている傾向があり、企業はそれとどう対峙していけばよいのだろうか、それについて考えていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●熱狂顧客に支えられたファンクラブ組織
 ●ファンクラブを軸にした音楽アーティストの活動
 ●団塊オヤジはなぜハーレーダビッドソンに夢中になるのか?
 ●熱狂的ファンの育成を意識した企業と顧客の関係
 ●大型バイク市場のシェア率からみたハーレーの強さ
 ●ハーレーを生き甲斐にする熱狂ファンの作り方
 ●企業のファンクラブ育成が求められる事情と広告業界の憂鬱
 ●ファンクラブ事務局代行業者の役割
 ●熱狂消費者の不信を生み出す企業広告の功罪について
 ●熱狂の裏側にある過激な消費者行動とは
 ●厳選した人にしか送付されない富裕層雑誌のビジネスモデル
 ●顧客を「オーナー」と呼ぶことで生み出せる商機と新ビジネス
 ●マスコミがストッパー役になる口コミ伝達力の意外な法則
 ●ロングテール市場に求められる超専門性の築き方と商圏法則
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JNEWS LETTER 2008.2.3
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