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  国内の旅行市場は観光旅行が減少している一方で、ビジネス用途の出張旅行者が大幅に増加している。ところが出張するビジネスマンに専門化した旅行会社というのはまだ少ない。
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旅行代理店とは異なる
出張専門旅行会社のビジネスモデル
written in 2007/4/16
事例:Travelocity 他

Travelocity Business  「旅行」といえば家族や友人と観光地を訪ね歩く楽しいイメージがある。年末年始やゴールデンウィークのような長期休暇の過ごし方としても「旅行」は最も人気が高い。それでは実際に日本人がどのくらい旅行をしているのかというと、国土交通省の統計によれば、日本人は一人あたり1年間に約 1.8回の観光旅行をしていて、年間の宿泊数は2.94泊というデータが報告されている。旅行好きを自称する人が多いわりには、意外と観光旅行をする機会というのは少ないというのが実態のようだ。

その一方で“新たな旅行市場”として急速に伸びているのが「ビジネス出張」の分野である。最近の新幹線はビジネスマンばかりで占められていて、観光旅行者のほうが少ない。その辺りはJRでも心得ていて、新幹線の広告宣伝は頻繁に出張をするビジネスマンにターゲットを定めている。

バブル崩壊後は経費節減のために企業の出張が控えられ、テレビ会議などの利用が増えるとの予測もあった。しかし実際には、むしろ出張は増える傾向にある。というのも、経費削減がまず地方の支社や営業所の廃止という方向に向かったからだ。営業所がなくなった分、客先対応として本社からの出張が増えている。じつは国内での旅行者動向をみると、観光旅行や社員旅行は横ばいか減少傾向にあるのに対して、出張旅行が伸びていて旅行市場のけん引役となっていることが、(財)日本交通公社の最近のレポートで明らかにされている。同レポートによれば、2006年10〜12月間の国内旅行宿泊者数は延べで 5,859万人で、そのうち出張旅行者が1,503万人と3割近くを占めている(個人観光旅行者は2,827万人)。

しかもインターネットからの旅行申込みということになると、さらに出張旅行者の割合が高くなり、宿泊予約サイトでは利用者の約半数(5割)がビジネス出張での用途だという。この動向からすると「旅行ビジネスのターゲットは一般の観光客」というという固定概念は捨て去るべきで、今後はもっと「出張旅行者」に目を向けなくてはいけないことに気付く。

では、ビジネスマンが出張する際にどんな手順を踏むかというと、新幹線や飛行機のチケットをオンライン予約、次に宿泊予約サイトで自分の好きなホテルを探して予約するといった手順を踏んでいる。出張経費の算定方法は、それぞれの会社によって異なるが、厳格な出張経費の管理ができている例というのは意外と少ない。出張する社員は、会社から正規の航空チケット代を経費として請求しておき、実際には格安チケットを購入して、その差額を小遣いにするという方法は、公務員の世界でもよくおこなわれるテクニックだ。また会社の経費で取得した航空マイレージやホテルの割引ポイントは、本来は会社の資産になるはずだが、そこまで徹底されている会社は少ないだろう。

そんな状況からすると、出張旅行市場には魅力的な商機が潜んでいるはずだ。昨今では観光客向けの旅行代理店を経営したところで利益率は雀の涙ほどだが、出張旅行を専門とした旅行サービスなら、もっと利益率の高いビジネスが展開できる余地が十分に残っている。ところが日本ではまだ「出張専門の旅行サービス」が業界として確立していない。
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この記事の核となる項目
 ●出張手続きを専門にした旅行予約サービス
 ●出張経費の精算方法からみた旅行予約市場の捉え方
 ●出張専門予約代行サービスの仕組み
 ●旅行代理店とは異なる出張専門旅行会社のビジネスモデル
 ●ビジネストラベルに特化した旅行代理店ビジネス
 ●出張管理会社のビジネスモデルと収益構造
 ●出張で貯まるマイレージ資産は誰のものか?を巡る裏事情
 ●マイレージポイントによる出張族の獲得競争
 ●個人の出張者を囲い込みたい旅行業者の動き
 ●社員へバックマージンとして流れる出張経費のカラクリ
 ●忙しい現代人が追求する"時間の経済性"で高まる予約権の価値


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