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仮想空間の好立地を取引する
プロダクトプレースメントの仕組み
written in 2006/10/1
事例:StarStyle 他

StarStyle  ビジネスが成功する条件には「立地」が必ず影響している。実店舗が立地にこだわるのは当然のこととして、ネットビジネスにおいても自分のサイトのアクセスを増やすには、ユーザーが多く集まるポータルサイトでの露出度を高める工夫が必要になってくる。つまり「どの場所に看板を出すか」により、来店客数や売上高に違いが生じてくることは、どんな商売にも共通している。

リアルな風景を眺めれば、多くの人の目に触れる場所には必ずといってよいほど広告看板が設置されている。同じ大きさの看板でも、設置する立地条件によって広告効果が異なるのは常識だが、その好適地は意外なところに隠れているものだ。よく知られている例では、道頓堀にある江崎グリコのネオン塔は大阪の象徴としてテレビ映像で頻繁に使われることもあり、非常に高い広告効果を示している。これと同じような場所を今からリアル商圏の中で探そうとしても、狭い国土の中では難しい。

そこで最近では「仮想空間における立地」が価値を生み始めている。たとえば、人気レーシングゲームの中で描かれているサーキット脇の看板には、リアル商圏以上の広告効果が期待できる。ゲームユーザーは何度も同じコースでタイムアタックを重ねるため、その中で映し出されている看板上の広告メッセージは無意識のうちに記憶の中に擦り込まれてしまう。

高視聴率ドラマの主人公が身につけたファッションアイテムが、番組放映後に爆発的に売れるのも同じ現象によるものだ。既存の広告を見飽きてしまった現代の消費者は、番組間に流れるCMにはあまり反応しないが、番組本編の中から“他の人にはわからない情報”を読み取ろうとする傾向が高まっている。そこで広告主としては、番組の中で自社の製品をさりげなくPRすることのほうが訴求効果が高いことに気付きはじめているのだ。

このようにドラマや映画、ゲームソフトなどの仮想空間に、特定企業の製品を登場させてさりげなくPRすることは「プロダクトプレースメント」と呼ばれ、米国ではテレビCMに代わる広告宣伝の手法として急成長している。もっともそこには、HDDレコーダーの普及でCMスキップをする視聴者が増えたことの対策として広告代理店が、プロダクトプレースメント市場の開拓に奔走しているという事情もあるが、情報メディアが多様化して消費者が効率的に必要な情報だけを収集できるようになると、「広告の見せ方」にも巧妙な仕掛けが必要になってくる。その過程では、これまでは無価値だった仮想空間の立地が魅力的な資産価値を持ちはじめている。
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この記事の核となる項目
 ●プロダクトプレースメントが浸透した米国の映像業界
 ●映画作品の中に企業広告を埋め込むプロダクトプレースメントの仕組み
 ●立て看板の収益を何倍にも高めるバーチャル広告挿入の最新技術
 ●オンラインゲーム内の好立地を狙う広告ビジネス
 ●プロダクトプレースメント専門の広告代理店
 ●生放送にバーチャル広告を挿入する技術を開発したベンチャー企業
 ●映画作品におけるバーチャル広告の収益構造
 ●企業広告によって上昇する仮想空間の資産価値と消費者への影響
 ●未開拓の仮想空間における好立地の開拓
 ●歌詞のスペースを買うマクドナルドの企て
 ●芸術文化の領域にまで進出する企業広告の影響力
 ●独占的な権利と営業力で躍進する広告代理店ビジネスの構造
 ●立て看板から電子ポスターへの進化で変わる屋外広告の好適地
 ●クリエイターの著作物を担保にした知財投資ビジネスの光と陰
 ●規制によって秩序と相場が維持されている屋外広告業界の仕組み


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 ●オンラインゲームから生まれたリアルマネートレード市場(RMT)
 ●立て看板から電子ポスターへの進化で変わる屋外広告の好適地
 ●多様化する広告媒体開発の着眼点と代理店ビジネスの生き残り策
 ●規制によって秩序と相場が維持されている屋外広告業界の仕組み
 ●衛星写真によるローカル広告のビジネスモデルとリアル店舗への影響
 ●企業広告によって上昇する仮想空間の資産価値と消費者への影響