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住宅業界のレコメンド・サービスとリフォーム市場
事例研究:Improve net
written in 1999.3.26

 物の値段が決定されるメカニズムは通常、消費者側から見えることはない。本来、価格は需要と供給のバランスから最も妥当な位置で決まるべきものだが、業界によっては業者側が意識的に高い粗利益を設定し、それが「当然の相場」として通用しているものが少なくない。

 その中でも「日本の住宅価格」には不透明な部分が多い。非常に大雑把な言い方をすれば「住宅価格は年収の5倍」という考え方の上に価格設定が成り立っている。年収600万円の人なら3000万円程度の買い物を20年、30年の、住宅ローンで返済するのが一般的。しかし、これは原価に裏付けされた価格設定というよりは、販売価格がまず決まっていて、それに応じた仕様が設定されていくという流れだ。

 バブル崩壊以後「欠陥住宅」に関わるトラブルが急増している背景には、高価格住宅が売れにくいために、低価格住宅を重点的に販売している業者側の戦略がある。住宅は消費者が目に見えない部分のコストを調節することで、販売価格を自由に調節することができる商品だけに、ただ価格の安さだけで飛びついてしまうと思わぬ不良住宅を掴むことになる。

 それでは「価格と品質とのバランスを考慮して最も優れた住宅を建てるにはどうしたらよいか?」だが、これは最も信頼できる業者を選ぶことに尽きる。通常、消費者はテレビCMや新聞チラシから業者の情報を収集し、住宅展示場を見学して最も良いと思われる業者を決定するが、広告宣伝や営業トークが上手な業者が必ずしも良い住宅を建てているわけではない。

 家電製品や自動車なら性能・品質面において国内メーカー間で大きな差があることは、まずない。そうなれば消費者はブランドイメージやデザイン等の付加価値要素から好みの商品を選んでも後悔することは少ない。しかし住宅の場合には必ずしも「有名メーカー=高品質」とは断定できない。地元にいる腕の良い大工さんに頼んだ方が低価格で質の高い住宅が建てられることも珍しくない。しかし消費者側からすれば、業者選定のための情報が少なすぎるのが大きな問題点なのだ。



住宅業界のレコメンド・サービス

 インターネットビジネスの中にはレコメンド・サービス(recommend=推薦する)というカテゴリーがある。数多く存在する商品やサービスの中から各顧客の特長やニーズに合致したリストを提示(推薦)するものだ。「あなたにお奨めのCD」や「あなたにお奨めの本」がサイトにアクセスすると同時に自動表示される仕組みが米国では昨年頃から流行り始めた。しかし、プログラムによる自動化されたレコメンドでは、すぐに飽きられてしまってユーザーの心を動かすまでには至らないという意見もある。

 それとは一線を画する形で、もっと本格的なレコメンド・サービスに注目していきたい。住宅業界は契約単価が高く、消費者も慎重を期さなければいけない分野であるに関わらず、業者は玉石混交で各々の信頼性が掴みにくい。ここにレコメンド分野のチャンスがあるわけだ。

●米国で注目の住宅業界レコメンド・サービス
 ・業者推薦サービス
 ・業者の信用度チェックサービス
 ・ビジネスとしての着眼点の分析

●日米リフォーム市場の違い
●日本でのリフォーム有望分野

<この記事の完全情報 URL>
https://www.jnews.com/mem/back/detail/1999/199903/19990326_3.html
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年3月26日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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