新興国の若者の中では、大学卒業後にフリーランスとなり、クラウドソーシングサイトからドル収入を稼ぐ者が増えている。高度なスキルを身につければ1時間あたりの平均単価は20~40ドルと高く、海外に出稼ぎに出るよりも高収入を得ることができる(JNEWSについてトップページ
クラウドワーク市場で影響力を高める新興国フリーランス

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/10/15

 新興国が外貨を稼げる場としては、海外のクラウドソーシングサイトが活用されるようになっている。世界最大級のクラウドソーシングサイト「Upwork」には、180ヶ国以上から1800万人を超すフリーランスが会員登録をしており、約500万社のクライアントとの間で仕事の受発注がされている。

フリーランス会員の66%は米国在住者だが、仕事後の高評価を得ている上位10%のトップ人材を国別シェアでみると、米国25.2%に次いで、インド14.2%、フィリピン11.1%と新興国人材の活躍が目立っている。

Upworkで受発注される仕事の報酬単価は、中央値は時間あたり28ドル、需要が高い人気スキルの平均単価では、時間あたり43.7ドルとなっているため、新興国では出稼ぎ労働よりも高収入を稼ぐことができる。

Upwork

そのため、フィリピンでは政府が主導する形でIT分野のフリーランス育成に力を入れている。フィリピンの情報通信技術省(DICT)では、「digitaljobsPH」というプログラムにより、eコマース、検索エンジン対策、Webサイト開発、グラフィックデザイン、コンテンツライティング、SNSマーケティングなどの無料フリーランストレーニングを行っている。

このプログラムにより、田舎に住む人でも在宅フリーランスとして仕事ができるようになり、海外の出稼ぎ労働者よりも高い収入を稼ぐようになっている。海外クラウドソーシングで仕事を受注するフィリピンのフリーランスは、時間あたり5~25ドルの料金を設定している。

就労体系は、フルタイムまたはパートタイムによるリモートワークになるが、フルタイム勤務を条件に、時間単価を下げているフリーランスがフィリピンでは多い。たとえば、時給5ドル×月間160時間のリモート勤務では月収800ドル(約12万円)になるが、フィリピン首都圏で働く大学新卒者の月収、約2.5万ペソ(約6.5万円)と比較すると2倍以上を稼げる。

決済業者の PayoneerとGCashが2022年に行った調査によると、フィリピンのフリーランスは21~35歳までが55%を占めている。また、海外のクライアントと取引するフリーランスは、クライアントが国内のみのフリーランスよりも時給単価が57%高い。そのため、フィリピンでは若いフリーランスが、40代以降の労働者よりも年収が高いという、逆所得格差が生まれている。

The 2022 Philippines freelance market

《フィリピンフリーランス人材の時間相場》

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