働き方改革の中では、勤務時間が不規則なシフトワーカーの睡眠対策も重要視されている。そこに向けては仮眠ブースの開発が新市場として浮上。欧米でも仮眠ブースの開発は進められているが、その構造は日本のカプセルホテルをヒントにしている。
睡眠負債を解消する企業向け不眠対策ビジネス

JNEWS会員配信日 2017/12/9

 労働者の睡眠不足による経済損失は、米国で年間約47兆円、日本でも約15兆円と算定されている。寝不足が勤務中の重大事故を起こしたり、過労死の要因にもなることから、企業が安眠対策に取り組むことは、働き方改革の課題としても浮上してきている。この市場は、勤務体系が異なる職種別に成り立つのが特徴である。

全米睡眠財団(National Sleep Foundation)の報告によると、米国労働者の5分の1が、勤務時間が不規則な仕事(シフトワーク)に就いており、その中の8~26%は、交代勤務による深刻な睡眠障害を経験している。現代では、24時間対応の業務が増えており、医師や看護師、パイロット、警察官、橋梁建設業者、カスタマーサービス、タクシーやトラックの商用ドライバー、サーバーの管理者などもシフトワーカーに該当する。

IARC(国際がん研究機関)の研究では、昼夜のサイクル(日周期)の混乱を伴うシフトワークに長期間就いていた労働者は、乳がんや前立腺がんのリスクが2以上に高まることが報告されており、企業はシフトワーカーに対して睡眠対策を講じる義務が生じてきている。

最も効果的な方法として「仮眠(昼寝)」の時間を設けることが推奨されているが、米国でも仮眠室のある職場は少ないのが実態。そこに向けては、オフィスの狭いスペースでも、他人を気にせずに仮眠ができる設備を開発することに商機がある。

英国のWorking House社は、企業向けの仮眠設備を専門に開発している会社で、「Podtime(ポッドタイム)」というブランド名で販売されるスリープポッドは、日本のカプセルホテルに似た仮眠用の個室ブースで、価格は1ユニットあたりが2,395ポンド(約36万円)~の設定。このスリープポッドは、フェイスブックや食品メーカー、ネスレ(Nestle) のオフィスにも採用されている。

日本には、カプセルホテル(カプセルベッド)の製造ノウハウがあることから、企業向けのスリープポッドを開発することは難しくない。法人は、購入よりもリースやレンタルのニーズが高いことから、仮眠スペースのリース・レンタルビジネスも成り立つ。

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