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  少子化の中でも、子どもの特別な才能を引き出す英才教育に関連した市場だけは成長が続いている。しかし日本では、英才教育のためのカリキュラムや、具体的な指導ができる人材が不足しており、欧米よりも遙かに遅れをとっている。
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英才教育に不足している教員人材の調達と
スクールビジネス
written in 2010/7/10

 普通の学校が行う授業では内容が物足りなくて、先生や同級生と馴染めない生徒のことを「浮きこぼれ」という。彼らは潜在的な学力は非常に高いのだが、興味や関心の対象が一般の生徒とは違っているため、教室内では“厄介者”としての扱いを受けてしまうことで、学習意欲を失っていることが多い。

日本ではこれまで、学校の授業に積極的でなかったり、定期試験で良い点数が採れない生徒を、ひとまとめに「落ちこぼれ」の扱いにしてきたが、その中からも社会に出て成功しているベンチャー経営者や研究者は数多い。むしろ、現代では公教育の枠に収まりきらない、異端児であることのほうが、将来の才能を発揮する可能性は高という見方もできる。

それが表立って実証されてこなかったのは、教育の成果を短期のスパンでしか判定しないシステムになっているためだ。OECD加盟の32カ国における、15歳児を対象にした学力到達度調査(PISA)によると、 2000年の調査で、日本は数学分野が1位、科学分野が2位。2006年の調査では順位を落としているものの、米国の学力水準はそれよりも低い位置にある。

《15歳児の国際的な学力比較(PISA:2000年調査)》

  

 ところが、その人の学力を10年後、20年後と追跡調査していくと、日本よりも米国のほうが優秀な人材に伸びている傾向にある。暗記を中心とした従来式の学習であれば、もはや、先進国よりも新興国のほうが熱心な教育を行っているが、独創的なセンスや好奇心を育てる才能教育に関してのノウハウは、欧米がリードしている。

しかし、日本の子どもに天才的な閃きが欠如しているというわけではなく、世界中の中学生や高校生を対象とした「国際科学オリンピック」のような大会で才能を競わせると、日本の子どもは目覚ましい活躍をする。問題なのは、そうした科学イベントへ積極的に参加しようとする子ども達が少ないことだ。

要は、科学的な興味を育てるためのカリキュラムや教育サービスが、国内では普及しておらず、「浮きこぼれ」のまま、才能を開花できないでいる子ども達が多数眠っているということだろう。これについては、公立の教育機関も目を向けているが、民間企業や非営利のNPOが手掛けられる事業テーマもたくさんある。

才能教育の特徴は、学習や研究に対して“おもしろい”という気持ちを抱かせて、自発的に才能の芽が伸びていくプロセスを作ることにあるため、従来の“つまらない勉強”を無理に押しつけるのとは、方向性が違うものになる。米国では、勉強好きの子どもをロックスターのように育てようとする英才教育が進んでおり、それが具体的に、どんなビジネスとして成り立っているのかを見ていくことにしよう。

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この記事の核となる項目
 ●才能の芽を育てるサマーキャンプ市場
 ●大学との提携によるサマーキャンプのビジネスモデル
 ●子どもの才能開発に関わる人材ビジネス
 ●サマーキャンプ参加者募集とスタッフ求人の仕組み
 ●子どもの興味を吸い付けるマグネットスクール
 ●公教育における才能開発と民間委託
 ●チャータースクールによる公立民営の教育ビジネス
 ●科学コンテストによる才能開発の仕組み
 ●科学コンテストからロックスターを育てる発想
 ●価値が下落する学歴社会に求められる教育投資効率の考え方
 ●ネットから登場する新アイドルに学ぶサラリーマンの才能開発
 ●教師の高齢化が引き起こす運動指導者の不足と子供の体力低下
 ●少子化時代に加熱する若者の青田買いビジネスと奨学制度


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