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  日本の保育サービスが高いのは、法律によって「有資格者が施設で子どもを預かること」が規定されていることに起因。一方、米国では一般の自宅で子どもを預かる保育サービスが認められいるため、料金も安価にすることができる。さらに最近では、非営利でお互いの子どもを子守し合うネットワークも普及してきた。
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民間ビジネスとして広がる
家庭内保育サービスの個人開業
written in 2010/4/5

米国の家族政策は欧州とは異なっており、各世帯に対する行政の金銭的な支援は、貧困層を対象にした最小限の範囲に抑えられている。その代わりに、国が無闇な規制をかけないことで、民間の育児サービスが安価に普及しやすい状況を作っている。

日本の育児サービスは、幼稚園か保育園を利用することが前提になるが、前者が文部科学省、後者が厚生労働省の管轄と分かれており、対応できるサービスの内容や営業時間も違っているため、利用者にとって非常にわかりにくくて、料金も高い。共働き世帯が最も利用しやすい、民間の保育園に3歳未満の子どもを預けて、両親がフルタイムで働く場合にかかる保育料は、年間で 100万円前後を覚悟しなくてはならない。

《幼稚園と保育園の比較(日本)》

  幼稚園と保育園の比較(日本)

米国にも月額料金が1000ドルを超すような高額の保育サービスはあるが、各世帯の経済状況に応じて安価なサービス(業者)を選ぶこともできる多様性がある。料金差によって何が違うのかといえば、保育を担当するスタッフの資質(資格の有無)、教育プログラムの内容、施設や設備の充実度などだ。

民間の保育園に該当するのが「デイケアセンター(Daycare Center)」と呼ばれる施設だが、安全性や衛生面にも配慮された環境で、保育士の有資格者が子どもの世話をして、知能の開発に役立つ教育までしてくれるのであれば、保育料が高価になるのは日本と同じである。

しかし親の立場では、そこまでの対応をしてくれなくても、もっとリーズナブルな料金で子どもを預かってほしいというニーズもある。その場合には、デイケアセンターのような保育専門の施設ではなくて、個人の立場でベビーシッターとして子どもの面倒を見てくれる人達が多数いる。

ベビーシッターの仕事には、特別な資格を取得する必要はなく、斡旋業者に求職登録をするか、新聞に個人広告を出したり、ネット上のベビーシッター仲介サイトに情報掲載をして、依頼者からの問い合せを待つのが一般的。

ベビーシッターの料金は、1時間当たり7ドル前後〜30ドル以上と、育児の経験やスキルによって違うため、依頼者は予算に応じたシッターを見つけることができる。安いシッターは、メキシコやキューバなどから米国に移住してきたヒスパニック系の女性であることが多い。しかし最近では、ベビーシッターによる幼児虐待なども報じられているため、「ナニー(nanny)」と呼ばれる、育児の専門教育を受けたプロのシッターを育成しようとする動きもある。
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この記事の核となる項目
 ●親手当てを支払うドイツのファミリーポリシー
 ●欧州における家族政策の方向性
 ●公的手当てに頼らない米国の家庭内保育サービス
 ●子守りの助け合いをするケア・エクスチェンジの仕組み
 ●移民に頼るカナダの家庭内労働力
 ●古い常識に縛られない新ファミリーの方向性
 ●婚姻数全体からみた再婚率の推移
 ●増加する国際結婚の状況
 ●フランスに広がる共同生活契約とは
 ●在宅介護セルフサービス時代の幕開けと新たな専門職の役割
 ●血縁と戸籍を超えて新たな家族関係が浮上してくる兆候
 ●介護保険の陰に隠れた家政婦サービスの業界構造と潜在市場
 ●米国女性の旺盛な社会進出を支える保育サービスと出生率の関係


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