電子書籍をNFT化して発行すると、著者は書籍が転売された際のロイヤリティを課金することができ永続的に再販収入を得ることも可能になる。この仕組みは、印刷作家の収入が減少する中で、新たな書籍の収益モデルとして注目されている。 (JNEWSについてトップページ
電子書籍をデジタル資産として収益化するNFT出版業

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/6/28

 創作物をNFT化する取り組みは、テキストコンテンツの領域でも行われるようになっている。たとえば、大学で使われる教科書を電子書籍化して、ブロックチェーンと 紐付けすると、配布した学生のリストが記録されて、学位認定をする際の検証に役立てることができる。また、他の学生への教科書再販も公式なルートとしてしやすくなる。

また、小説などの文学作品も、NFT化された電子書籍として発行すると、著者は読者との直接的な関係を築きやすくなり、彼らと交流する中で続編の構想を練ることもできる。NFT書籍は二次売買された際のロイヤリティ設定ができるため、紙の古本とは異なり、著者は生涯にわたり再販収入を得ることも可能になる。

《NFT書籍の販売モデル》

具体的な取り組みとして、「BookVolts」は世界初のNFT書籍出版社を目指している。同社が事業コンセプトとして掲げているのは、職業作家の収益変革をすることである。

印刷作家の多くは書籍売り上げの10%前後しか印税収入を受け取っておらず、出版不況で紙書籍の販売部数が落ち込む中で、作家の収入も減少している。電子書籍の登場は、印税の分配率を変えられる期待されたが、結果としてわかったことは、アマチュア作家の参入によって書籍の品質が下がってしまったことと、アマゾンが展開する「Kindle Unlimited」のようなサブスクリプションモデルによって、作家1人あたりの分配金が減ってしまったことだ。

こうした問題点を解決するため、BookVoltsは電子書籍をNFT化することで、実力のある作家と、良い作品を読みたい読者との新たな関係を作ろうとしている。NFT書籍には、著者のインタビュー動画、ストーリーに関連した地図や家系図、登場人物の背後にある副ストーリーなどを加えることも可能で、NFTの売り方も、1巻ずつ販売する方法の他に、長編小説の連載を継続して読める権利を与える方法もある。また、本の表紙や挿絵として、人気アーティストのNFT作品を加えることで、書籍全体の価値を高めることも検討されている。

NFT書籍は、希少性が高いほど価値を高めることができるため、従来の商業出版のように「できるだけ販売部数を伸ばす」ためのマーケティングとは真逆の発想をしていく必要がある。

BookVolts

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・NFT化されるAI生成コンテンツの方向性
・AI生成コンテンツとNFT市場の関係
・トークンゲートで作る新たな顧客価値
・音楽アーティストのNFT収益化モデル
・テキスト原稿をデジタル資産にする方法
・商業出版の常識を覆すNFT書籍の販売モデル
・投資として読書をする「Read to Earn」の仕組み
・ChatGPT導入によるセールスオートメーションの方向性
・孤独を癒やす仮想ガールフレンドとAIコンパニオン市場
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