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5Gが変革するリモート外科手術の手法と中国の思惑

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JNEWS会員配信日 2020/8/25

 遠隔からの作業ができるリモートワークは通信回線の帯域に依存しているが、2020年以降は5Gの通信規格が実用化されていくことから、各職種のワークスタイルにも大きな変化が生じていくことになる。

先行事例として、中国では既に5G回線を利用した遠隔手術のテストが行われている。2019年1月には、福建省南東部の医師が、3千キロ離れたパーキンソン病患者の脳に電気刺激を与える装置を埋め込む手術を、ロボットアームをリモート操作しながら行った。

従来の通信帯域では、ロボットアームの操作で最大2秒もの遅延が生じてしまうが、5G回線では遅延を0.1秒程度にまで抑えられるため、手術の成功確率を高めることができる。中国では、この事例の他にも遠隔手術の成功を伝える報道が、2019年頃から増えている。これは、リモート手術の成功事例を増やすことで、世界に向けた技術輸出でシェアを拡大しやすくなることが関係しているようだ。

■遠隔手術で動物の肝臓を摘出する実験映像(中国)

Fortune Business Insightsによると、遠隔にいる医師がロボットアームを操作しながら行うリモート手術は、 2017年には世界で39億ドルの市場だったが、年率16.6%のペースで成長しており、2025年までには132億ドルの規模に拡大することが予測されている。

中国やインドでは、医療機関の数が不足していることから、技術の黎明期からリモート手術の導入に積極的だったが、新型コロナの感染リスクが高まる中では、世界的な需要が高まっている。リモートで行う手術であれば、患者がウイルスに感染しているリスクがあっても、医師や医療スタッフの感染確率をゼロまたは最小限に抑えられるためである。

新型コロナが完全終息するまで、病院は最も感染リスクの高い場所といえるため、難易度が高い手術を担当する外科医は、感染リスクを下げるために、できるだけ病院内の滞在時間を減らすことも重要策となっている。その点からも、遠隔診療やリモート手術の価値は高まっており、医師のワークスタイルを変える転機となるかもしれない。

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