非稼働時間をモニタリングした建設重機のシェアリング
JNEWS会員配信日 2017/5/11
建設業界もB2B版のオンデマンドサービスに関心を示している。建設現場では様々な重機が導入されているが、1台あたりの価格は数百万~数千万円と高くて、設備投資の負担が重い業界である。
重機をレンタルする方法もあるが、年間を通した工事の繁忙期は、どの業者も重なるため、忙しい時期に必要な機材を調達しにくい欠点がある。そのため、重機を所有しつつ、稼働しない時期には、他の業者に貸し出して収益化できる仕組みがあればベストだ。
米ミズーリ州で2014年に創業した「EquipmentShare」は、建設業者がP2P型でショベルカー、フォークリフト、掘削機、クレーン車などの建設機械をシェアリングできるプラットフォームを開発している。
このプラットフォーム上では、単に重機の貸し借りを仲介するのではなく、整備の状況が厳しくチェックされて、品質が保証された機材のみが登録されている。
加えて、シェアリング対象の各重機には、「ES Track」という電子デバイスが装着される。ES Trackのセンサーからは、GPSによる位置情報のトラッキング、エンジンの稼働時間、走行距離、燃料消費量などが遠隔通信でモニタリングできるため、乱暴な使い方をするのを防いだり、盗難のリスクを軽減することができる。
また、工事作業中に重機が故障すれば、EquipmentShareが提携している修理業者が、昼夜を問わず平均1.5時間以内に作業現場に駆けつるオンコールサービスも提供している。そのため、重機シェアリングの対象地域は、今のところ米国内の6地域に限定されており、機材のシェアリングも同じ地域の業者間で行われるのが前提だ。
重機を所有している業者は、1日、1週間、1ヶ月単位でレンタル料金を自由に決めることができるが、専業の重機レンタル業者が設定している料金よりも、20~30%安く提示することが、借り手を付きやすくするポイントになる。借り手は建設業者に限らず、製造業者や農業事業者なども含まれる。
EquipmentShareのビジネスモデルは、借り手と貸し手の会員に課金するメンバーシップ(会費収入)や、シェアリングの仲介手数料で稼ぐのではなく、重機に取り付けるES Trackのデバイスを、各業者(貸し手)が求める機能に応じてカスタムメイドで開発、提供することを主な収益源にしている。
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