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脳科学で立証されるマイクロラーニングの効果と学習法

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JNEWS会員配信日 2023/4/12

 マイクロラーニングは、1つの単元を1~5分程度の短い教材コンテンツとして、スマートフォンでどこに居ても学習できるようにするものだ。教材の形態には、学習内容を解説するビデオ、反復学習ができるクイズ、音声を聴くだけで学べるポッドキャスト、楽しみながら学べるゲームなどが考案されており、それらを組み合わせることで、学習効果を高める方法が研究されている。

学習効果として注目される指標に「注意持続時間(Attention Span)」というというものがある。2015年にマイクロソフトが行った研究によると、携帯電話によるモバイル革命が起きた2000年頃から、人間は長時間の集中をすることが苦手になっており、平均的な注意持続時間は、わずか8秒間しかないことが発見されている。

You Now Have a Shorter Attention Span Than a Goldfish

注意力の低下は、モバイル革命の副作用であるが、若い世代ほどその傾向が高まるため、8秒間の集中で1つの知識を習得させるような教育方法が求められている。
短い集中力の中で学んだ知識は忘れにくく、1~5分間のマイクロラーニングによる学習では、60日経過した後も、最大で80%の知識を覚えているという研究報告もある。

イランにあるシラーズ医科大学では、看護学生に対する新たな教育方法として、PowerPointのスライドと音声解説による平均5分のビデオ教材を WhatsAppのソーシャルメディア上で視聴できるマイクロラーニングを行い、通常授業との比較実験を2021年に行った。

その結果、マイクロラーニングは、通常授業よりも自己効力感が高いことが明らかになっている。自己効力感とは、目標を達成するための肯定的な意識で、「自分はできる」「きっとうまくいく」という前向きな気持ちで学習をするため、学習効果も高くなる。短時間の教育コンテンツは、許容できる集中時間の中で学習者を惹き付けることができるため、トータルでみると講義方式の授業よりも学習量を増やすことができる。

The effect of micro-learning on learning and self-efficacy of nursingstudents: an interventional study

 マイクロラーニングで使われる短時間教材は、従来型の教材と比べて制作コストが安く、個人でも参入しやすい有望市場と捉えられている。そのため、YouTube、TikTok、Instagramなどで活動する投稿者の中でも、インフルエンサーではなく教育クリエイターとしての立場で成功する例が出てきている。

2020年に英国女性が立ち上げた「How To British」は、英語学習をする世界のSNSユーザーをターゲットとして、イギリス英語とアメリカ英語の使い方の違いや、イギリス英語のスラング(俗語)を、コミカルな15秒以内の動画として解説することにより、Instagramで15万人、TikTokで71万人のフォロアーを獲得している。

動画は、ユーモアを交えながらも、日常会話ですぐに使える語彙を増やせるように練り込まれており、中級者や上級者の英語学習でも役に立つ内容になっている。
頻繁に投稿される動画コンテンツは、教材ライブラリーの資産として、語学学習のオンラインスクールでも活用されるようになっている。

How To British(Instagram)
How To British(TikTok)

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