セルフメディケーション税制の創設により、一般の市販薬を購入したときの医療控除が受けやすくなった。それに伴い、ドラッグストアーで発行されるレシートを電子的に管理できるシステムの需要が高まっている。
ドラッグストアー向け電子レシートの潜在需要

JNEWS会員配信日 2017/8/18

 欧米で電子レシートの発行を希望する消費者の中では、確定申告の経費処理を楽にしたいという需要が少なからずある。その点では、サラリーマンが確定申告をする義務が無い日本は、電子レシートの普及が遅れている。しかし、平成28年度からは、領収書を電子的に保管したデータが、税務申告の帳票として認められるようになったことから、日本でも電子レシートの活用事例は増えている。

フリーランスの中では、店やタクシーで受け取った紙レシートをスマホのカメラで撮影して「Evernote」のようなデータストレージに保管する人が増えている。
データには“○○費”のようなタグを付けて、確定申告の時に検索できるようにしている。しかし、紙のレシートをもらう度に、写真を撮るのは手間がかかるため、電子レシートを発行してもらえる店舗があれば、そちらの利用頻度が高くなるのは必然だろう。

特に、医療関連のレシートは電子的に管理したいという需要が大きい。自営業者に限らず、サラリーマン世帯でも年間で10万円以上の医療費を払った場合には、確定申告をすると医療費控除の還付金が受けられる。その中には、市販の風邪薬や胃腸薬など(OTC医薬品)も含めることができるため、ドラッグストアーが電子レシートを発行すれば、医療費控除の手続きがしやすくなる。

《ドラッグストアーの電子レシート発行モデル》

さらに、国の医療費を下げる目的で、2017年1月からはセルフメディケーション税制(医療費控除の特例措置)が施行された。これは、勤務先や自治体の健康診断を受けている人を対象にして、特定の成分を含んだ市販薬を年間で12,000円以上購入すると、確定申告で所得控除が受けられる新たな制度である。

それに伴い、該当の市販薬を販売する薬局やドラッグストアーでは、レシートや領収書の中で、セルフメディケーション税制の対象商品と、それ以外の商品とを分けて記載する必要がある。消費者側でも、レシートの仕分けをするのは面倒なため、デジタルで管理できる電子レシートのほうが便利になる。


※出所:紙レシートのセルフメディケーション対象品印字例(日本一般用医薬品連合会


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