病院に導入される高額医療機器の業界には二重構造のカラクリがある。あらかじめ定価を高く設定しておき、実売価格との乖離を大きくすることで、納入先により利幅がコントロールできるようになっている。
高額医療機器の二重価格構造とシェアリング事業

JNEWS会員配信日 2017/5/11

病院で使われる医療機器は、非常に高額なものが多いが、その中には稼働率が低い機材も少なくない。病院にとって、高性能な医療機器の導入は、質の高い医療サービスを提供して患者数を増やすための“投資”にあたるが、過剰の設備投資によって赤字経営に陥っている医療機関は多い。

2012年に米ボストンで創業した「Cohealo(コヘアロ)」は、企業向け共有サービスの中でも「医療機器」に特化した会社で、病院間で医療機器のシェアリングができる仕組みを作ることで、財政難に陥っている病院や健康保険制度を救済しようとしている。

しかし、医療はもともと閉鎖的な業界であることから、シェアリングの障壁は高い。そこで Cohealoは、病院内の医療機器がどのように使われているのかを、関係者が可視化できるプラットフォームを構築して、稼働率が低い機材を他院にレンタルすできるようにする。機材の運搬をするロジスティック機能についても、Cohealo側で提供するのが特徴だ。

医療機器がシェアリングされることの、もう1つの利点としては、機材の適正な価値相場が形成されて、国や患者が負担する医療費の無駄遣いを防げることがある。日本でも、医療機器は定価と実売価格の差が非常に大きくて、定価で5億円するMRI装置も、実際には1億円以下で販売されている。あらかじめ定価を高く設定しておき、実売価格との乖離を大きくすることで、納入先により利幅がコントロールできるようになっているのだ。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることが できます記事一覧 / JNEWS について

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JNEWS LETTER 2017.5.11
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