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エコ社会が後押しする
深夜から早朝ビジネスへのシフト
written in 2008/4/13

 日本では店舗の営業時間が午前10時〜午後8時、9時までというのが標準だが、平日昼間の店内は閑散として、どうみても赤字だろうという店が少なくない。それでも毎日営業を続けていれば、電気代や人件費はかかるために経営は次第に悪化していく。それなら思い切って、昼間は店を閉めて早朝の時間帯に営業するという方法もある。早朝の営業が成功するか否かは、店の立地や取り扱う商材によっても違うが、毎朝6時〜8時の時間帯には大勢の通勤者が移動していることから、彼らをターゲットにすることで早朝客を獲得できる店は多いだろう。

早朝の営業に力を入れ始めているのがファーストフード業界で、各社共に朝メニューの開発には積極的である。厚労省の国民健康・栄養調査によると、社会人で朝食を食べずに出勤する欠食率が最も高いのは20代で、28%という水準。しかも一人暮しの単身者に絞って調べると、20代の約5割、30代の約4割が朝食抜きで出勤をしている。この傾向からすると「通勤途中で手軽に朝食をしたい」というニーズがあることは明らかである。

《朝食を食べていない人の割合(欠食率)》
    全体値単身者
    20代28.3%49.4%
    30代20.8%41.1%
    40代13.3%33.3%
    50代9.9%21.2%
    60代5.5%9.1%
    70代2.8%4.5%
     ※出所:国民健康・栄養調査(平成17年)

農水省では、朝食を食べない欠食者に対する市場規模を1兆5千億円と試算している。これは、欠食者が朝食を食べるようになると年間で約50億食もの新たな需要が生まれて、一食あたりを300円で計算したものだ。単身者にしてみると、昼と夜は外食できる店がたくさんあるのに、朝食の時間帯だけはなぜ営業している店が少ないのか?というのが素直な疑問だろう。

一方、米国では朝食を出勤途中に摂るという習慣が以前から定着していて、朝の時間帯を稼ぎ所としている飲食店が多数存在している。最近では“チープで高カロリー”という印象が染みついてしまったファーストフードへの風当たりが厳しいことから、それよりも高級感があって健康面に配慮された食材を使う“ファースト・カジュアル”という業態が人気になっている。たとえば「パネラブレッド(Panera Bread)」というベーカリーカフェは 700店舗以上をフランチャイズ展開しているが、メニューは、女性客からも人気が高いヘルシー志向のパンとサンドイッチ、サラダやスープなどの構成になっていて、客単価は8ドル前後とファーストフード店よりも高めの設定。米国ではその他でもファースト・カジュアル型のチェーンが急成長していて、ランチタイムはどこも活況だが、収益面で差が付くのが朝食市場で成功を収めることだと言われている。

Panera Bread

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この記事の核となる項目
 ●早起き人口とロングテール市場の関連性
 ●早朝の通勤客を対象とした朝食市場の開拓
 ●エコ社会が後押しする早朝ビジネスへのシフト
 ●営業時間のシフトだけでは難しい早朝ビジネスの採算
 ●欧米のB&Bに学ぶ早朝ビジネスの方向性
 ●早朝のラジオ体操、じつは営利目的だった
 ●パワーブレックファーストと朝コミュニティ市場
 ●自営業者は人が寝ている時に働け!残業代行における商機
 ●緻密な時間管理で生まれるタイムビジネスの仕組みと動向
 ●知的収入と自由時間の有無で評価される成功SOHOの収益構造


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