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部活動の民間委託で生じる地域スポーツクラブの収益化

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JNEWS会員配信日 2022/6/21

 日本では文部科学省が中心となり部活動改革が進められている。その骨子となるのは、中学高校の部活動を令和5年度から段階的に地域クラブへと移行することで、これまで教員だけにかかっていた部活指導の負担を、地域の人達とも協力する形にしていくことである。それに伴い、地域大会や全国大会の参加資格を学校だけではなく、地域クラブにも与えることが検討されている。

改革の第1段階は平日の練習は学校部活動、休日は地域部活動という方式にすることで、教師の休日出勤を無くすることが計画されている。地域部活動には、自治体が育成する総合型地域スポーツクラブや民間のスポーツクラブが考えられている。

総合型地域スポーツクラブは、自治体と地域住民が協力して運営される非営利のクラブで、レベルに応じたスポーツ教室やメンバー同士がチームを組んで、大会参加に向けた練習をしている。スポーツ庁の調査では全国で約3600のクラブが設立されている。これまでは、市営の体育館やグラウンドなどを利用してきたが、今後は土日に学校の施設を借りて活動を行い、そこに部活の生徒も参加する流れになる。

《地域クラブと学校部活の新たな関係》

部活動の教員コーチは地域クラブの練習には関与しないのが基本だが、地域クラブのコーチも自ら希望する場合には、教員の立場ではなく「地域住民」としてボランティアコーチを務めるか。兼職兼業の届け出をした後、有償の外部コーチとして地域チームと契約するのが正しい参加方法になる。後者の方法であれば、米国のように「教員の給与収入+コーチ報酬」によるダブルインカムを得られるようになり、休日返上してスポーツ指導に費やした時間を収益化できる。

《教員コーチの兼業兼職モデル》

学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について(文部科学省)

ただし、この方法を成功させるには、地域クラブがコーチ報酬を払えるだけの資金源を確保する必要がある。練習中に怪我や事故が起きた時の責任も地域クラブが負うことになるため、保険加入も必要になり、自治体からの補助金だけでは資金が足りない。そこで、米国の部活動が潤沢な活動資金を獲得する方法が注目されている。

米国にはBooster Clubs(ブースタークラブ)と呼ばれる、部活動の後援会組織があり、主に資金調達面を支えている。ブースタークラブは保護者や部活のOBやOG、地元住民による完全ボランティアで運営されている。大半のクラブは非営利団体として法人化されているため、グッズ販売、チャリティイベントなどで獲得した資金を非課税にしているが、この方法は各州が認めている。

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