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クレジットカードを使わない若者層の決済と購買特性

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JNEWS会員配信日 2020/7/7

 eコマースやキャッシュレス決済が主流となる社会では、クレジットカードが重要な決済手段になるが、すべての消費者がカードを所有しているわけではない。

日本のクレジットカード会社、ジェーシービー(JCB)が2019年に行った調査レポートによると、国内消費者のクレジットカード保有率は85%、1人あたり平均3枚のカードを保有しているが、残り15%の消費者はカードを保有していない。その中でも、20代の若い消費者は購買意欲が高いものの、他の世代よりも収入が不安定なため、カード保有率は低くて、20代男性では約27%がクレジットカードを持っていないという結果が出ている。

《クレジットカード保有率(国内)2019年》

クレジットカードを保有していなくても、PayPayなどのキャッシュレス決済は行うことはできるが、一括払いが原則になり、手持ち資金に余裕ができるまでは買い物を控えるしかない。そこで、彼らに対しても「後払い」の手段を与えることが、「Buy Now Pay Later(BNPL)」という決済手段の新分野になっている。

オーストラリアを拠点にBNPL事業を展開する「Afterpay」では、クレジットカードを保有しない消費者向けに、オンラインとリアル店舗の両方で使える後払い方式のキャッシュレス決済を開発している。

利用者は専用のスマホアプリをダウンロードして「後払い口座」を開設した後、Afterpayと提携しているショップで買い物をする際には、使える金額の限度額がアプリ上に表示される。店員はレジの精算時にアプリのバーコードをスキャンすると決済は完了して、2週間単位の4回払いで代金が請求される方式だ。

買い物時に商品代金の25%に相当する額をプールしておけば、残りの75%分は2週間毎の分割で支払うことができる。アカウント開設から6週間までは少額の買い物に限定されるが、買い物回数を重ねることで、後払い(分割払)の信用枠が拡大されていく。しかし、クレジットカードのように限度枠まで常に目一杯の買い物ができるわけではなく、支払い前の買い物残高によって信用枠は変動するため、浪費を抑止するのにも役立つ仕組みになっている。

Afterpayインストア向けアプリ
■Afterpayアプリの紹介映像

世界大手の電子決済プロバイダー「Worldpay」が、2020年1月に発表した電子決済動向のレポート「The Global Payments report」によると、2019年から2023年にかけて利用率が上昇する決済手段として、スマートフォンにアプリをインストールして使うモバイルウォレットのシェアが23.7%→36.6%に上昇する一方で、クレジットカードのシェアは34.4%→26.8%に下落すると予測している。

クレジットカードとモバイルウォレットとの違いは、前者が信用決済であるのに対して、後者は口座残高としてプールされている資金からの決済である点が大きい。20~20代の消費者層の中では、与信審査のある信用決済よりも、口座残高の範囲内で行われる即時決済を好む傾向が高まっている。

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