「Knitting clubs(ニットクラブ)」というリアルなコミュニティが世界各地に立ち上がっている。近年のネットによる手芸ブームの再来(Knitting 2.0)により、ニットクラブが各地で再び結成されるようになってきている。
手芸愛好者が集うニットクラブの仕組みと役割

JNEWS会員配信日 2017/6/5

 海外では手芸の技術が学べる動画コンテンツや、自分の作品を販売できるプラットフォームが普及したことで、若い女性を中心に手芸愛好者の数が増えている。
編み物SNSの「Ravelry」や「Etsy」は、その代表的なサイトといえる。

そうした動きに連動して、「Knitting clubs(ニットクラブ)」というリアルなコミュニティが世界各地に立ち上がっている。もともとのニットクラブは、1940年代に手芸愛好者が、編み物や裁縫のハンドメイド技術を教え合うためのグループとして、欧州を中心に広がったもので、その後は量産型アパレルの台頭により、下火になっていった。

しかし、近年のネットによる手芸ブームの再来(Knitting 2.0)により、ニットクラブが各地で再び結成されるようになってきているのだ。

その中でも、「UK Hand Knitting Association(英国ハンドニット協会)」は、英国内にある 560以上のニットクラブが加盟している非営利の全国組織である。
2015年の時点で、英国には 750万人の手芸愛好者(編み手)がいると推定されており、上級者が制作する作品は、ハンドメイド工芸品としての価値を高めている。
その職人的な技術を共有、継承できるネットワークを形成するのが、同協会の目的である。


ニットクラブの主催者も、非営利でグループを運営しており、同じ地域に住むメンバーを対象に、週1回~月に数回のミーティングを行っている。参加は基本的に無料だが、お茶やケーキなどの軽食代として数百円程度を徴収しているクラブもある。それとは別に、これから編み物を学びたい初心者に対しては、ワークショップを開催しており、こちらは1回(約3時間)につき50ポンド前後(約7,000円)の受講料を徴収している。

英国で、このようなニットクラブが復活している背景には、編み物がアマチュアの趣味としてだけでなく、仕事としても成り立つようになり、大口の仕事でも受注できるチームを形成する必要が生じていることもある。欧州の有名アパレルメーカーでも、自社ブランドの手編みセーターを製造委託できる上級のニッター(編み手)を、ニットクラブの中から発掘しており、英国ハンドニット協会でも仲介を行っている。

ニットクラブはアマチュアのコミュニティではあるが、ニット技術の向上や、将来の仕事に結び付けたい、という目的を持った集まりであることが、価値観の合う友達作りにも役立っている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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