仮想通貨の活用方法として、従業員のやる気を引き出すインセンティブとして支給する仕組みが開発されている。もともとは、子どもの苦手な習慣を克服させる「トークエコノミー法」という教育方法がベースになっている。
仮想通貨で形成するインセンティブとデジタル資産

JNEWS会員配信日 2017/5/19

人間の行動は、何らかの報酬が得られることでモチベーションが高まるが、その報酬として手っ取り早いのが「お金(現金)」だった。しかし、現金報酬のやり取りには、様々な弊害もあるのも事実。これからは現金以外でも、仮想通貨を含めた様々な報酬が、トークンとして発行され、世の中に流通していく「トークンエコノミー」の時代が訪れるとみられている。それがどういう仕組みなのかを理解することは、自己への投資や将来の資産形成に役立つ。


 そもそも「トークンエコノミー」は古くからあるアナログの手法で、心理学の行動療法として考案されたものである。トークンは、目標とする行動を達成したときに与えられる“報酬や特典”のことで、エコノミーは“流通”を意味している。

たとえば、子どもの苦手な習慣(例:歯医者に行くのが怖い)を克服させたい時に、ゴール(虫歯の完治)までのプロセスを点数化して、治療が進む度に、褒めながらシールを1枚ずつ貼っていく。シールを5枚貯めると最初のご褒美が貰え、さらに5枚貯めると次のご褒美、というように、ステップを細分化して最終目標(歯医者嫌いを克服する)に近づけていく仕組みだ。

トークンエコノミーの特徴は、「トークン(シール)を集める)」という、視覚的にわかりやすい行為と、シールが貯まって、ご褒美が貰えるまでの基準やルールを明確に示して、前向きな行動を引き出すことにある。トークンとしては、シール、スタンプ、オモチャのコインなど、多様なアイテムを使うことができるが、そのアイテム自体は“高価ではない”ほうが、高い効果を引き出しやすいことが実証されている。

最終目標を達成した時に貰えるご褒美も、賞金(現金)や賞品(物品)である必要はなく、好きな活動ができる時間や、特別な権利を与えることでも良い。本人にとって最も関心の高いテーマで、ご褒美の内容を決めることが重要だ。行動心理学では、自発的な行動を引き出す刺激として、ステップ毎に与えるシールを「強化子」、シールを貯めて交換できる特典を「バックアップ強化子」と呼んでいる。

心理学に基づいたトークンエコノミーは、大人の社会でも広く導入されている。
顧客向けのポイント制度は典型例であるし、従業員のやる気を引き出す目的の、社内インセンティブ制度でも、仮想通貨を使うことで、これまでよりも高度な仕組みを構築することが可能になる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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