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ネットとリアルとの垣根が消滅する 小売業界の価格決定プロセス |
written in 2006/01/26
「ネットショッピングは従来の買い物よりも安い」という魅力の元にeコマース市場は成長してきた経緯があるが、その常識が崩れはじめている。ここ数年のネットショップとリアルショップとの同一商材における実売価格を調べてみると、その価格差が次第に縮まっている状況が見えてくる。
ネットショップの事業規模や信用力はピンキリだが、安心して購入できる信頼感のあるショップの価格設定は、それほど激安と言えるものではない。リアルショップと比較すると、店舗にかかる経費がかからないのがネット通販の利点ではあるが、その代わりにショッピングサイトの運営や商品発送にかかるコスト負担が次第に重くなってくることで、価格面で特別な魅力を打ち出すことは難しい。そもそも、成功ショップ経営者の中では「価格の安さで勝負しようとは思わない」という価値観が以前から浸透している。
一方、リアル店舗ではネットの存在を無視できない状況が迫っている。経営者が「うちの店はネット通販とは関係ない」といくら主張したところで、肝心の消費者は買い物をする前に「ネット上での相場」を調べてからリアル店舗を訪れるというケースが増えている現実は否定できない。同業他店の価格動向を把握する上では、近隣のライバル店に限らず、地理的には遠く離れているネットショップの価格設定にも気を配っておく必要がある。
(オンラインショップ経営術一覧へ)
●急接近するネットショップとリアルショップの距離
●ショールーム化するリアル店舗の方向性
●リアルな負担が増大するネットショップの悩み
●年商10億円を越えたネットショップの設備負担状況
●標準化へと向かう商品価格の決定プロセス
●物流部門の効率化とノウハウ開拓が成否の鍵を握る通販ビジネス
●儲かるショップと儲からないショップの利益に対する嗅覚の違い
●売上が大きくなるほど重荷になる物流コストの仕組みと改善策
●eコマース市場成長への鍵を握る「商物分離」の流通構造とは
JNEWS LETTER 2006.1.26
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