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ジャパニーズデニムの歴史と中古価値が上昇する理由

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JNEWS会員配信日 2023/11/26

 少量生産で高品質のアパレル製品という点では、日本のヴィンテージデニムも海外での評価が高まっている。米国発祥のジーンズが日本に上陸したのは第二次世界大戦後、米国兵によって持ち込まれたことによるが、1950年代には米国文化への憧れもあり、リーバイスのジーンズは高嶺の花となっていた。

ところが、1960年代に入ると、リーバイス社は大量生産方式へと移行したことで、デニム生地の品質が低下していった。それ以前のデニム製造では、シャトルという部品で縦糸と横糸をループさせながら生地を織り込んでいく「シャトル織機」が使われていたが、生地を織るスピードが遅く、職人の手作業も必要で生産効率が悪いため、シャトルを使わない「革新織機」へと切り替えられていったのだ。
しかし、革新織機は太い番手の糸を使えないため、シャトル織機よりもデニム生地の品質が劣ってしまうのが欠点だ。

一方、日本ではトヨタ創業者の豊田佐吉が独自の技術で完全自動化できるシャトル織機(豊田式自動織機)を開発したことで、1960~70年代にかけて国産のデニム産業が栄えていった。その後は、若者のジーンズ離れが起きたことによる業界低迷期が続き、シャトル織機も世界的に無くなってしまった。しかし、再びダメージ加工されたジーンズが流行したことで、当時の日本で生産されたデニムの価値が見直されている。

海外のコレクター市場では、いま世界最高のジーンズが見つかるのは日本と言われている。日本初の国産ジーンズは、1965年(昭和40年)に岡山倉敷市の児島地区にあったマルオ被服という零細工場が生産したもので、現在の「BIG JOHN」ととなった。

BIG JOHN

デニムコレクションとして最も高値が付いているのは、1960年代以前の米リーバイス製で状態が良いものなら30万~100万円以上で取引されているが、日本製ヴィンテージデニムはそれよりも安く入手することが可能で、将来の価値上昇が期待できるため、海外バイヤーが日本の古着店を訪れるようになっている。このようにヴィンテージ市場では、製品の歴史、文化、技術などのストーリーによって価値が見直されるアイテムが増えており、今ならまだ手の届くヴィンテージ品の発掘が過熱している。

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JNEWS LETTER 2023.11.26
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