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任意売却物件の再販市場とリースバック投資

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JNEWS会員配信日 2023/9/29

 通常の不動産売買は、不動産業者が売り主と買い主との仲介をして売買を成立させる。それに対して住宅ローン利用者の任意売却で扱われる物件は、長期のローン延滞が発生してリスク管理債権としての登録がされている。そのため、売却には金融機関の同意が必要になり、売買の金額についても承諾を得て、抵当権を解除してもらなくてはいけない。

《任意売却取引の流れ》

一方で、中古物件を安く購入したい買い手にとって、任意売却物件は、通常の中古相場よりも1~2割程度安く買えるメリットがある。ただし、ローン延滞中の物件は、屋内のメンテナンスが不十分で、購入後のリフォーム費用が高額になることもある。また、延滞中の売り手は、売却後も資金的に困っているケースが多く、引っ越し費用を買い主が負担して退去してもらうこともある。

そのため、任意売却の取引は、不動産に詳しい人向けと言えるが、最近では不動産投資家向けの引き合いが増えている。不動産投資家にとって、通常の相場よりも安価で購入できる任意売却は、賃貸物件の仕入れルートとして最適であるし、任意売却した元所有者に対して、同じ物件を貸し出す「リースバック」の仕組みも注目されている。

《リースバックの仕組み》

リースバックを前提とした自宅売却の交渉は、買取価格と家賃設定のバランスに考慮して行われている。具体的には、家賃の120ヶ月分を買取価格に設定すると、買い手(投資家)は10年で買取資金を回収することができ、年間利回りは10%になる。リースバック投資では、利回り10%で買取価格と家賃を算定するのが標準となっている。

その計算方法によると、買取価格が1500万円なら家賃は月額12.5万円だが、買取価格が1200万円では家賃は月額10万円になる。つまり、リースバックを目的とした自宅売却では、売買価格が安いほど、家賃の設定額も低くなるため、元所有者にとってもメリットがあり、実際には中古市場相場の7~8割が売買価格になっている。

また、リースバック契約では、家賃を払っている途中で自宅の買い戻しができるオプションを付けることも可能なため、売却から数年後に年収が上向けば、その時の中古相場で再び、マイホームを自分所有にすることができる。

この買い戻しスキームは、相続対策としても活用されている。親が亡くなった後の不動産を子供が相続するには、現金で相続税を納めなくてはいけないため、親が存命中にリースバックで現金化して納税資金をプールしておき、相続が完了した後に子供名義で物件を買い戻すことができるようにするものだ。

投資家からみたリースバック物件の利回りは10%(10年間で資金回収できる)を基本として、実際には立地条件や転売のしやすさにより、およそ7~13%の範囲で買取価格と家賃の設定がされている。通常の賃貸物件よりも利回りが良いため、新たな投資対象として、住宅ローンの延滞物件が物色されているが、それらの情報は、任意売却の専門業者から提供されている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・ローン延滞物件の競売が減少する理由
・通常売却と任意売却の違いについて
・任意売却物件のリースバック投資
・任意売却の市場規模と業界構造
・全国チェーン展開化する任意売却ビジネス
・任意売却ビジネスの集客ルート解説
・金利上昇する米国のローン延滞状況
・米国デジタル住宅ローン変革の着眼点
・Rent-to-ownによる住宅購入スキーム
・若者世代で広がるローン利用者と投資家層の経済格差
・インフレ金利上昇に備えた住宅ローン利用者の行動計画

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