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  小売店の経営といえばコンビニのように店員が接客をするのが普通だが、それでは人件費の負担が重いということで、無人で運営できる店舗ビジネスが流行してきている。その先駆けといえるのがコインランドリー業界で、その業界構造がどのようになっているのかを知ることで、今後の無店舗経営の採算や問題点を知ることができる。
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無人店舗の開業を仕掛けるメーカーと
代理店の業界構造
written in 2007/9/8

 四十年以上も営業してきた近所のガソリンスタンドが先日廃業した。直接的な理由は施設の老朽化ということだったが、毎月の収支でみても人件費を払うと赤字スレスレの状態だったとのこと。そこで最近では、セルフ式のガソリンスタンドが急速に増えている。人件費をぎりぎり下げて利益を出していこうというわけだが、日本の法律では安全対策上の店員を必ず置くことが義務づけられているために、完全に無人でガソリンスタンドを営業することはできない。

経営者の立場からすると人件費をかけずに、完全無人の形で店舗を運営できるのが理想だ。そこには、店の粗利益に対して人件費の割合が半分以上を占めているという負担に加えて、店員(スタッフ)の確保と維持に対する経営者の相当なストレスと悩みがある。

店の経営を日々続けていくには「店舗」「店内の設備」「店員」という3つの歯車が上手に噛み合わなくてはいけないが、その中でも店員の歯車が最も狂いやすい。コンビニのケースでいえば、年中無休の24時間営業を続けていくには20人前後のアルバイトを常時確保しておかないと店が回らないし、新人スタッフに対する教育にも時間とコストがかかる。しかしようやく仕事に慣れた頃にあっさり辞められてしまうと、また採用活動からやり直しと、経営者の苦労は常に絶えない。資金面や設備面は机上の計算で何とかなっても、スタッフの扱いだけは機械的なオペレーションでは何ともならないことが多いのだ。そのため名目上は“店のオーナー”でも実際には店員の不足要員を兼ねていることが少なくない。

そこで「できるだけ人に依存しない店舗運営の仕組み」を考えることが重要視されている。将来的にはコンビニも完全無人のロボット店舗になると言われており、そうなった時にはサラリーマンが副業としてコンビニオーナーになることもできそうだが、その具体像はまだ見えてきていない。店員からの接客に慣れた消費者にとってロボット店舗というのは未知なる領域で、SF映画に出てくるような店を頭に描いてしまうのだが、じつはそれを既に実現している業界が一つある。それは誰もが何度かは利用したことがある「コインランドリー」の存在だ。コインランドリー店の経営者(オーナー)はほとんどが副業で、その中にはサラリーマンオーナーも数多く含まれている。彼らがどんな経路でオーナーとなり、どれくらいの収入があるのかを把握することで、新たな無人店舗の経営スタイルがみえてくる。

今回取り上げるクリーニング業界というのは、これからの独立開業を考える人にとって参考になる点が多い。というのも、開業のスタイルとして3種類の選択肢があって、それぞれのスタイルによる経営者が存在しているためだ。それを詳しくみていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●経営スタイル(1):ゼロから自分でクリーニング店を開業
 ●経営スタイル(2):チェーンに加盟しての開業
 ●経営スタイル(3):コインランドリーの経営
 ●無人店舗の開業を仕掛けるメーカーと代理店の業界構造
 ●コインランドリービジネスのルーツと仕掛け人
 ●コインランドリー経営の業界構造と採算性について
 ●コインランドリーの利益率を高めるポイント
 ●オーナー側からみた無人店舗の魅力的な採算と落とし穴
 ●無人店舗のハイテク化で下落するオーナーの利益率
 ●コンビニ経営者と自販機オーナーとはどちらが儲かるのか?
 ●健康業界にみる自販機ビジネスの発展形と無人店舗へのシフト
 ●ストアオートメーションが生き残りの鍵となる実店舗の将来像
 ●副業として考える24時間コイン式駐車場経営の採算性
 ●各分野で急速に進化するセルフサービステクノロジーの最新動向


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