巷には「買うこと」だけで成立するビジネスが存在する。たとえば、中古車の買い取り業者がそれに該当するが、その仕組みは個人客から買い取ったクルマを業者オークションで換金することで成り立っている。同様に「買い取り」を専門としたビジネスは多方面にある。 (JNEWSについてトップページ
売る努力をしなくとも“買うこと”のみで成立するビジネス

JNEWS
JNEWS会員配信日 2005/2/2

 商売の基本は「商品を売ること」にあるが、現代の賢い消費者に対して物を売ることはなかなか難しい。たとえ売れたとしても、定価で買ってくれるほど生易しいわけではないため、小売業者の手元に残る利益は想像以上に薄い。

その一方で「商品を買い取ること」を専門とした業者が各分野で急成長している。一般の消費者から不要になった製品を買い取ることでビジネスを成立させている。消費者も不要な品物を現金化できるとあって、買取り業者の存在を歓迎している。これは従来の中古品販売店やリサイクルショップと同列に扱われがちだが「商品を売るための努力」をする必要のない業者は、広い店舗や広告宣伝に多額の経費をかけなくても済むため、小売店から買取り専門店へと転業する中古ショップも全国的に増えている。

【二次流通市場と買取り専門業者】

「買取り専門サービス」が成り立ちやすいのは、消費者から安い価格で買い取った中古品を二次的な中古流通市場に出品することで現金化できる商材である。“市場”とは、商品を出品(出荷)すればその日の時価(取引値)ですぐに商品が現金化できる場所のことを意味する。

身近な例でいえば、農業生産者は収穫した作物を生鮮市場でセリにかけることで現金化しているために、生産者自身が「売るための努力」をする必要はない。実際の取引価格はその日の需給バランスによって成立する“時価”である。中古品においてもこれと同様に、売り手と買い手の仲介をする取引市場が成立している分野では、人気の高い中古品を上手に買付けることさえできれば、それをすぐに現金化することが可能だ。

中古車買取り専門業者では、一般の個人客から買い取った中古車を業者間オークションに出品して現金化することで、(落札価格-買取り価格)の差額分を自社の粗利益として得ている。中古車1台あたりを買取って現金化することで得られるマージンは15~30万円と言われている。売るための広告費や店舗費用がかからないことを考えると、最近では中古販売店よりも買取り専門店のほうが利益率が高いビジネスになっている。

《中古車買取り業のビジネスモデル》


中古車のオークション市場が整備されていれば、買取り専門店では「売ること」には努力しなくとも、買い取った在庫を現金化することが容易だ。ただし市場の取引価格は日々変動しているため、このビジネスの肝は最新のオークション相場を把握しながら、(落札価格-買取価格)で赤字の出ない適正な査定額を顧客に提示することである。中古車業界に限らず、最近では様々なオークションが登場しているため、そこで安定した取引相場が形成されている商材ならば、上記のビジネスモデルによる「買取り専門業」が成り立ちやすい。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・ネットオークションを活用した個人の買付けビジネス動向
・個人が中古品を転売するサイドビジネスの仕組み
・買取り専門ビジネスにおける有望商材の捉え方と買取りノウハウ
・国際的ネットワーク化が進む貴金属の買取りビジネス
・市場が急拡大するヴィンテージギターの買取りビジネ
・スポーツ用品(ゴルフクラブ)の買取りビジネス
・家電製品の無料回収事業と海外輸出ビジネス
・B2Bマーケットプレイスで物色される有望な中古商材
・独自の回収ルート開拓が鍵となるリサイクルビジネス攻略法
・古紙回収業界の仕組みに学ぶゴミを“金のなる木”に変える術
・ネットによって近代化する質屋業界が展開する中古ビジネス

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2005.2.2
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ

この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
ネットによって近代化する質屋業界が展開する中古ビジネス
中古車オークション代行業にみる新たなフィービジネスの可能性
コレクション換金市場の役割を担うオークションハウスの仕組み
ゴミを捨てると報酬がもらえるハイテクゴミ箱の開発市場
資産価値の上昇が見込める変わり種コレクション分野の発掘法
通貨価値が目減りするインフレ時代に伸びる物々交換取引への着目
鑑定能力を武器にしたリサイクルブティックの中古委託販売


(儲かる商売の裏側)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2005年2月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon