デジタル化される中古ブランドの業者間取引と相場形成
日本国内には、様々な中古ブランド品やコレクターズアイテムが眠っており、保管状態の良さから品質も高いため、外国人旅行者からは、リサイクルショップ巡りが新たな観光コースになっている。個人から買い取った中古品を、清掃・修理して再商品化するリユース事業は日本独自のものだが、富裕層が多い中国、香港、シンガポールなどにもビジネスモデル自体が輸出されるようになっている。
東証グロースに上場しているバリュエンスホールディングス(9270)は、「なんぼや」、「ブランドコンシェル」、「古美術八光堂」の屋号による買い取り専門店を全国で130店舗以上展開して、個人客から年間154億円の仕入れ(買い取り)を行っている。買い取った中古品の販路は、一般小売と業販に分かれるが、85~90%は業販(卸売り)である。
■なんぼや
同社は、業者のみが参加できるオンラインオークションの「STAR BUYERS AUCTION(SBA)」を開催しており、1200社以上の中古業者がオークション会員として登録している。オークションには月間25,000点以上の高級時計、ジュエリー、ブランドバッグなどが出品されるが、全体の落札率は90%以上と高い。このオークションには海外からの会員登録もあり、落札金額に対する海外バイヤーの割合は約3割で、その中ではアジア圏のバイヤーが48%を占めている。
海外バイヤーの中でも、日本の業者オークション人気が高いのは、出品される中古品の大半が個人からの買い取りであり、中古市場にまだ出回っていない初荷(うぶに)であるためだ。買い取りとオークション出品の段階では、真贋鑑定と品質チェックが行われるため、偽物や粗悪品が出品されるリスクも低く、中古ブランド品の仕入れ先では、日本が最も信頼性が高い。国内の買い取りルートでは、遺品整理からの依頼も増えているため、ヴィンテージ品として高値が付く「お宝」が多数発掘されるのは、これからが本番と言われている。
STAR BUYERS AUCTION(SBA)には、SBA会員となっているリサイクルショップや独立系の買取専門店など出品することができ、1商品あたり550円の出品料と、落札手数料として、時計、ジュエリー、バッグは5%、アパレルは10%を払う仕組みになっている。
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