米国の中古車市場は2022年1月をピークとして下降に転じている。日本の中古車市場でも高額輸入車を中心とした相場の下落が起きている。この影響は、これまでコレクションや投資の対象として高騰していた旧車市場にも及ぶことが予測されている (JNEWSについてトップページ
米国中古車相場の下落からみた旧車バブル崩壊の予兆

JNEWS
2023/1/30

 旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車株式会社では、中古車市場の変動からみた「2023年 旧車価格相場の見通し」を発表している。

日本の旧車は、ここ数年で価格の高騰が著しく、新車価格の2倍、3倍まで価格が上がったものもありプレミア価格が付いていた。その原因は、コロナ禍で旅行に行けなくなった富裕層のお金の使い方が変わり、車の購入に充てる資金が増えた。その中でも特に、希少性の高い旧車の価格相場が上昇していった。半導体不足による新車供給の滞りと、EV社会に向けたガソリン車(特にマニュアル車)の駆け込み需要も、中古車相場上昇の要因である。

しかし、米国中古車価格の指標であるマンハイム指数(Manheim Used Vehicle Value Index)をみると、昨年から下落のトレンドに転換しており、2022年1月には257.5だった数値が12月には219.3と、14.9%の下落となっている。この影響として、米国中古車販売の大手「カーバナ(Carvana)」の株価は、新型コロナの流行初期には370ドルにまで急騰したしたが、2022年12月には3.95ドルにまで落ち込んでいる。

日本の中古車市場でも、高額高年式車から価格の下落が始まっている。2023年1月のオートオークション相場では、メルセデスベンツのCクラスが前月比で-17%もの下落、世界的に多くのファンをもつランクルも前月比-4.7%の下落となっている。これらの影響は旧車の市場にも波及していくと、旧車王では予測している。

《2022年12月→2023年1月の中古車相場変動》

カレント自動車が運営する「旧車王」は、21年以上が経過した旧車専門の買い取りサービスを行っており、特にスポーツカーや特殊なモデル、希少車を得意としている。車両の買い取りだけでなく、交換パーツの供給、修理、販売(卸し/小売)までを自社で完結できる体制を作ることで、経年劣化した旧車を再生して価値を高めるビジネスを展開している。

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