リモートワークで稼働率が下がったオフィスの遊休スペースを福利厚生を目的したマッサージスペースとして活用するビジネスが立ち上がっている。コロナ収束に向けて社員が出社することの付加価値を高め、仕事の生産性を高めることが目的となっている。(JNEWSについてトップページ
オフィスのデットスペースを活用した福利厚生の開発

JNEWS
2021/12/16

 コロナ禍によって多くの企業でリモートワークが浸透したが、コロナが収束に向かっていく中でも、完全にコロナ前の勤務形態に戻るとは考えにくく、週3~4日の出社と、週1~2日の出社というように、ハイブリッド型のワークスタイルが定着していくことが予測されている。

稼働率が下がったオフィス面積を縮小する選択肢もあるが、社員が出社したいタイミングは月末などに集中することが多く、その最大必要数にあわせてオフィス面積は確保しておく必要がある。するとどうしてもオフィスにデッドスペースが生じてくる。

そこで、リモートワークで生じるオフィスのデットスペースを活用した福利厚生サービスを開発する新規事業が考案されている。JR東日本グループの新規事業創出モデルとして、出向起業の形で創業した株式会社Officefaction(2021年10月設立)は、オフィスの遊休スペースにマッサージのコーナーを設けて、セラピストを派遣する事業を立ち上げている。

第一弾として、2021年11月から株式会社ジェイアール東日本企画のオフィスにあるデットスペースでの実証実験を開始している。この実験サービスから、デッドスペースでのマッサージやヨガなどが、従業員のエンゲージメントや生産性の向上、出社のモチベーション向上に繋がるかを調査して、今後の事業開発に反映させていく計画だ。

Officefaction

なお、同事業の立ち上げには、経済産業省が実施する「出向起業等創出支援事業」のスキームが活用されている、経産省では、大企業に所属する起業志望の人材が籍を残したまま、自分の会社を設立して事業を立ち上げることを「出向起業」と定義している。所属先の大企業は、新会社に出資することが可能だが、出資比率は20%未満に抑えることが条件で、残りの資金は、起業者が自己資金か借入などで調達する必要がある。起業者は、事業が軌道に乗れば、そのまま独立(退職)するか、所属企業に戻るかの選択肢が用意されている。

経産省は、これらの条件に合致する出向起業の事業モデルを募集、審査を行った後、採択した事業に対しては、1件あたり500万円、ハードウエアを含む支出は1000万円までの補助金(補助率1/2以内)を支給する。出向起業の形態は、所属先の会社にとっては、起業人材との関係を断ち切ることなく、子会社とは異なる形で新規事業を育てていくことができる。起業者にとっては、事業に失敗した時には「所属先の会社に戻れる」というオプションを利用できる点で、起業のリスクを軽減できる仕組みとして注目されている。

出向起業等創出支援事業(経済産業省)


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