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高齢ドライバーを見守る安全装備のアフターパーツ市場

JNEWS
2020/1/22

 高齢者の運転による事故対策は社会的な問題になっている。運転に自信が無くなった高齢者には免許を返上してもらうのが最善の策ではあるが、どのタイミングで返上の決断するのかは難しい。地方では、マイカーが生活に欠かせない移動手段になっているし、運転すること退いた高齢者は、行動範囲が狭くなることで友人との付き合いも減り、身体と精神面の衰えが早くなり、要介護や認知症になる確率が2~5倍高くなることも報告されている。

自動車メーカーは、衝突防止自動ブレーキ、駐車場でのパーキングアシスト機能での急発進防止機能などを新型車に搭載しはじめているが、広く普及するまでには時間がかかる。そのため、現在のマイカーに後付けできる「高齢者向け安全装備」のアフターパーツ市場が成長してきている。

オートバックスが2016年12月から発売している「ペダルの見張り番」は、 発進時にブレーキとアクセルを踏み間違え、アクセルを強く踏み込んでも車が急発進することを防ぐ安全装置で、発売時の予想よりも100倍以上が売れるヒット商品になっている。この装置は、本体と取り付け費用込みで40,000円(税別)だが、地域の自治体によっては費用の一部を助成する補助金制度が設けられている。

これまで、自動車のアフターパーツ市場は、愛車のスポーツ性能を高めたりドレスアップをする若者層の顧客が中心だったが、高齢者の安全対策を目的にした、新たな市場が生まれてきた形だ。

さらに、オートバックスでは2019年12月から「くるまないと」という、高齢者の運転見守り装置の販売も開始している。この装置は、通信SIMとIoTデバイスが組み込まれた製品本体と専用アプリによって構成され、マイカーに本体を取り付けると、スマホアプリから運転の状況(急ブレーキや急加速の頻度と傾向を数値化)や移動履歴を確認できるようになる。

このアプリによって、家族が運転状況をモニタリングして、危ない運転操作が増えてくれば、運転を止めさせるタイミングの判断材料になる。この装置には、車両の走行中に強い衝撃を感知した時に、家族への緊急通知と救急・消防への自動通報を行う機能もオプションとして追加できるため、万が一、事故が起きた時の対策にもなる。

「くるまないと」の価格は、製品本体+取付工賃で19,800円(税別)。それに、アプリケーションの使用料として毎月980円(初期費用3,000円)がかかる。年老いた親に運転させるのは心配だが、すぐに免許を返上させるわけにもいかない、と考えている家族にとっては、安全対策用にツールになる。

運転見守りサービス「くるまないと」


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