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人気スポーツチームのロゴを借りた
ライセンス商品の作り方
written in 2012/12/5

 米国では様々なライセンス商品が販売されている。最も知られているのは、プロスポーツチームの公式商品である。MLB、NBA、NFL、NHLの4大プロスポーツはもちろんのこと、全米プロゴルフ、テニス、大学スポーツのロゴマークをつけた製品が多数販売されている。その分野は、スポーツウェアやスポーツグッズが中心だが、飲料や食料品、日用品などの公式グッズも出回っている。

公式グッズといっても、必ずしもプロチームの有名選手が愛用しているわけでなく、各プロリーグが、商品のメーカーに対して“公式用品”の冠を付けることを認めたライセンス契約に基づいているものだ。

米国のプロスポーツは、こうした各メーカーとのライセンス契約を重要な収益源にしており、野球のメジャーリーグ(MLB)や、アメリカンフットボールリーグ(NFL)の公式商品は、それぞれ年間で27億ドル(約2200億円)もの売上がある。

グッズのメーカーにしてみると、人気チームのロゴを付けることで商品の価値は高まり、売上が伸びるため、米国内では、大手と中小を含めて1500社以上のメーカーが、プロスポーツの公式グッズを手掛けている。欧州やアジアのメーカーでも、正式なライセンス契約を結べば、同様のビジネスをすることが可能だ。

ライセンスの条件は、各リーグによって異なるが、一般的には、メーカーの卸価格に対して10〜15%のロイヤリティをリーグが徴収して、それを各チームに分配する形になっている。たとえば、卸価格で50万ドル(約4000万円)の公式商品を売り出す場合であれば、メーカーがリーグ側に支払うロイヤリティ(15%)は7万5千ドル(約600万円)になる。

《米プロスポーツリーグ公式グッズのライセンス体系》

 

メジャーなスポーツの公式グッズは、小売店にとっても売れ筋になることから、各メーカーが発売する新商品の動向には注目している。リーグやチームとのライセンスを、製造元のメーカーが取得していれば、小売店にライセンス料を支払う義務は無い。こうした、スポーツライセンス商品に関する情報収集や商談は、「Sports Licensing and Tailgate Show」のような業者向けイベントで行われている。

■Sports Licensing and Tailgate Show
http://www.showproco.com/

 こうしたライセンスビジネスは、以前なら、大手の商社が得意としてきたが、近年では中小の事業者でも容易に参入することができるようになってきた。ブランドの拡大を求めて、ライセンスを提供する側(ライセンサー)でも、門戸を広げてきているのだ。

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この記事の核となる項目
 ●階層別に捉えた米国メーカーのブランド戦略
 ●プロスポーツ公式グッズのライセンス市場と契約体系
 ●スモールビジネス向けのライセンス仲介サービス
 ●カレッジライセンス商品の制作〜販売までの流れ
 ●エリート消費者に向けた専門家ブランドの立ち上げ
 ●新興国におけるエリート消費者の獲得モデル
 ●名投資家が注目するマイナーリーグの事業モデルと資産価値
 ●オーガニックマークのブランド価値と認証ビジネスの舞台裏
 ●サブスクリプション型で生まれ変わる小売業のビジネスモデル
 ●高級ブランド崩壊〜再構築による家内制職人ビジネスへの回帰
 ●世界に共通したミドルクラスの消滅と日本特有のデフレ構造
 ●小学校が理科室の命名権を売るライツセールス市場の最前線


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