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掛け算で稼ぐ米国建築士の図面販売と
ホームプラン出版社
written in 2007/3/28

 何年かの受験勉強を経て難関の国家資格に合格し、これでようやく普通のサラリーマンから脱却してプロのスペシャリストとして独立できると思っていたら、実際にはサラリーマン時代よりも収入が減ってしまったという話をよく聞く。弁護士や税理士、弁理士など難関資格の取得者でさえも、自分の専門知識をウリにして高収入を稼げるのは、その中のごく一部の人たちに過ぎない。彼らの仕事は、仕入れた商品を売るのとは異なり、自分の頭にある形のない知識を売らなくてはいけないため、“売り方”が上手くないと高収入を稼ぐことが難しいのだ。

もちろん資格の種類によって収入の状況は異なるが、独立して個人事務所を構えている有資格者の平均収入には1500万円前後のところに成長の壁がある。「知識を売る」といっても、実際には「自分の作業単価×作業時間」によって報酬額を算定していれば、自分の単価が飛躍的に向上しないかぎり、一日は24時間しかないのだから、年間で稼げる収入というのは自ずと限界値がわかってくる。医師や弁護士のように社会的な地位の高い仕事といえども、やはり身体を動かしてナンボの世界で、自分が動ける時間以上に稼ぎ出す手段を持っていないという点では日雇い労働者と変わりはないのだ。

しかしそんな「時間の壁」を超えて収入を増やし続けている人もいる。たとえば作家や音楽家で、文章を書いたり演奏をするという肉体労働の限界を越えたところから収入を得ている。彼らが「時間の壁」を越えられるのは、本やCDなどの著作物が本人に代わってせっせと稼いでくれるからだ。もし彼らが一本いくらの原稿料、あるいは演奏活動だけの収入に頼っていたら、やはり肉体と時間の壁は超えられない。マンガ家は出版社からの原稿料で雑誌に連載を書いているだけでは儲からない仕事だが、過去の作品が単行本として出版されたり、主人公のキャラクターがグッズとして発売されることで、はじめて億単位の財産が築けるようになる。

これに習って近頃では、士業の専門家が一般読者を対象にした本を出版するケースも増えている。その中では「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」のようにミリオンセラーとなった本もある。それ以降は二匹目のドジョウを狙うように「なぜ○○なのか?」というタイトルの本を書店でよく見かけるようになった。それを仕掛けているのは当然ながら出版社の存在だが、出版の形態は何も書籍に限られた話ではない。特別な知識を持っている専門家が音楽家のようにCDやDVDを売ってもよいし、パソコン用のソフトウエアの形態にしてもよい。要は商品価値のある知識を何らかの形の著作物として売ることだ。「知識の商品化=著作物」と捉えると、収入の限界点を乗り越えることができる。その具体的なヒントを、海外の動向から掘り下げてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●スペシャリストが抱える理想と現実〜建築士のケース
 ●建築士の標準的な報酬基準と収入の限界値
 ●掛け算で稼ぐ米国建築士の図面販売とホームプラン出版社
 ●労働力の提供から専門知識の商材化へ
 ●図面販売によるマイホーム建設の流れ
 ●建築士のホームプラン販売による収益構造
 ●建築士の収益を支えるホームプラン出版社の存在
 ●出版社をパートナーとした知的専門家の二階建て収益構造
 ●ホームプラン出版事業を他の知識商品へ応用する視点
 ●カメラマンの新たな収入源になるフォトストックサービス
 ●米国税金還付サービスにみる知識開発会社のビジネスモデル
 ●料理に対する知識とノウハウを売る料理研究家として起業モデル
 ●制作料ではなく使用料として稼ぐ知的労働者の新たな収益構造
 ●年収1億円を超すSOHO職に学ぶ収益モデルの立て方と着眼点


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JNEWS LETTER 2007.3.28
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