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起業家になるためのノウハウ集


銀行の貸し渋り現象の仕組みとその対策


 約2兆円といわれる公的資金を投入し、年度末の株価を支えるために数々の対策と介入を行ったにもかかわらず、年度末株価は一万六千円半ばまでしかあがらず、銀行の決算内容も非常に厳しいものになった。このため、銀行の貸し渋りは緩和されるどころか、ますます厳しいものになっていくと予想せざるを得ない。今回は、貸し渋りの原因の現状とその対策について検討してみたい。

 日本の銀行は、国際的にみて自己資本比率が低い。国際決済銀行(BIS)基準では、自己資本比率が8%以上であることが求められているが、各行はこの基準を満たすのに四苦八苦している。自己資本比率とは

             自己資本
 自己資本比率(%)=────────×100
             総資産

で求められるが、この比率を上げるためには銀行側が

(A)自己資本の金額(資本金等の金額)を増加させる
(B)総資産の金額を減少させる。

のいずれかの対策をとることになるになる。

(A)の方法は、株価が低迷している今では難しい。下手に増資をすればさらに自社の株価を下げることになりかねないからだ。このため各銀行では(B)の資産の圧縮に取り組んでいる。これが貸出資金の圧縮につながり各企業の貸出資金が不足することになる。

※銀行側では企業倒産などによる不良債権を償却したり、株価低迷による株式の評価損が新たに発生する額に応じて「自己資本」が目減りしていく。そのため「総資産」を圧縮しなければ自己資本比率を一定水準以上に保つことができない。銀行の経理方式では「融資残高」が「総資産」に含まれているために総資産を圧縮するためには融資残高を減らすことが最も効果的である。


以上の理由から当面の間貸し渋りは解消されないであろうと予想されるが、中小企業が取り組める対策として提言しておきたいのは以下の通りだ。

【融資条件の見直しの交渉】
 (1)返済状況のリスケジュールについて
 過去の融資状況を見直し実状にあった返済方法に変更する。

 過去の決算書の実状をふまえた上で向こう5年の中期利益計画書、向こう1年の資金繰繰り計画表等を準備し、中期経営計画のビジョンを説明できるように税理士とよく計画を練った上で支払い計画を自社のペースで交渉できるようにする。この努力を怠ると銀行ペースの返済計画を長年に渡り押しつけられてしまう。

(2)担保預金の解除
 過去のいきさつで1行でしかも多額の担保預金の提供をしていないだろうか。

 以前の定期預金担保と現在の定期預金担保は性質がまったく異なる。
以前は、ヒモ付きであれば借り入れのレートが低かったりすることもあったのだが、現在の金利から考えると、金利なしの担保を提供しているのと同じことになる。この預金を運転資金に使うなりほかの銀行のおつきあいの定期積金に流用できないかを検討する。

(3)取引銀行の細分化
 上記(1)(2)が不調になった場合に備えてほかの銀行とも細かく交渉し、ある程度の運転資金の融資先を状況が悪化しないうちに確保しておく。例えば手形決済を受け入れている企業ならば、手形割引だけでも他行にお願いする。割引でも、金額合計にこだわる銀行もあれば、振り出している会社のランクにこだわる銀行もあるのでそれぞれの方針に応じて使い分けることも必要である。

【社債の発行】
 日本の場合、企業の借入金残高は、国民総生産(GDP)に占める割合は、じつに100%を越えている。社債の発行残高が他国に比べて異常に低いことがその理由だ。ちなみにアメリカでは、19%にすぎない。もちろん社債発行に関する細かい手続きと法規制のため、日本では発行しにくいという側面はあるのだが、グローバルスタンダードを目指す現在の流れから考えるとこれらの規制も緩和されると予想される。

 また、中小企業の社債を引き受けることは、よほどの信用がない限り購入することは難しいということは容易に想像がつくのだが、これについても政府が信用保証協会の保証をつけることを認めることがほぼ決定しているため、投資家は中小企業が倒産した場合であっても一定の補償を受けられるので投資リスクは大幅に減少することになる。以上のことから、中小企業が社債を発行することは、非常に有効な資金調達手段になってくるだろう。

【長期的な展望】
 銀行の貸し渋りは、担保資産以外で会社を評価する以外の方法を持たない銀行の審査能力に問題があるのであり、本来は収益力のある元気な中小企業は、大きな利ざやを獲得できる大切な顧客になるはずである。このため、収益力を診断できない(システムを持たない)銀行は淘汰されてしまい、結局は、有力な企業を見分ける能力のある銀行と企業が生き残ることになるだろう。また、社債の発行に代表されるように銀行以外からの資金調達方法が整備されるであろうから銀行への依存度は減少するだろう。

                           税理士 天野直之


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