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インフレの裏側で保有資産を増やす米国世帯の特性

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JNEWS会員配信日 2023/11/17

 インフレ時代に強い資産の運用先としては、不動産と株式というのが昔からの定説だが、現代でもその特性は変わっていない。米連邦準備理事会(FED)が2023年10月に実施した消費者金融調査によると、個人の資産(貯金、株式、不動産など)から負債を差し引いた純資産額は、2019年から2022年にかけて、中央値で14.1万ドルから19.3万ドルに増加して、37%もの上昇率となっている。

純資産の上昇はすべての世代にみられる傾向だが、これは、保有しているマイホームと株式の価値が上昇したことによるものだ。一方で、給与収入は3年間で3%しか伸びていない。そのため、同じ世代でも、不動産と株式を持つ者と、持たない者との資産格差は大きくなっている。

《世代別の純資産額中央値(2022年)》

同調査によると、米国世帯の66%はマイホームを所有している。これは日本の持ち家率(61%)と同水準だが、物件の正味価値からローン負債を差し引いた「平均純住宅価値」は、2019年に26.3万ドルだったが、2022年には33.5万ドルとなり27%の上昇となった。これは、FED調査の中でも過去最高の上昇率である。

マイホームを所有すべきか否かについては両極の考え方があるが、このデータからは「住宅がインフレに強い資産」であることが裏付けられている。そのため、米国ではセカンドハウスやタイムシェア物件を所有する世帯も13%と高く、プライベートで使用しながら、遊休期間はAirbnbなどで収益化する資産運用が人気化している。

米国世帯が行う投資の優先順位を、各資産の保有率からみると、マイホーム→退職金→株式、投資信託→セカンドハウスとなっており、資金面で余裕がある世帯ほど投資先は多様化させている。これらの資産を持つか、持たないかにより、将来の資産額は大きく変わってくるのだ。

マイホームの他には、退職金のある仕事に就くか否かも、資産形成の重要な要因となっている。自営業者向けにも、米国には「個人退職勘定(IRA)」という退職金制度があり、税控除の優遇を受けながら現役時代に退職金を積み立てることができる。

日本でも、中小経営者や個人事業者向けの退職金制度として「小規模企業共済」があるが、預かり資産の50%は国債で運用されているため、過去10年間の運用利回りは年率2.2%と安全志向だ。それに対して、米国のIRAは株式市場が好調であれば、個人で投資をするのと同水準の利回りを期待できる。

《米国世帯の資産別保有率と評価額》

一方、投資意欲が高い米国民の中でも、近年は不人気となっているものに「生命保険」がある。日本世帯の生命保険加入率は90%を超しているのに対して、米国では職場の福利厚生による加入を含めても50%と低い。さらに、貯蓄性のある終身保険では、2019年に19%が、2022年には16%というように加入率が減少している。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・インフレ下で純資産を増やす米国民の特性
・金融資産として見た生命保険の損得
・国内サラリーマン不動産大家の実態
・アパートローンの借入状況と利回り
・インフレに勝ち抜く副業の実施状況
・給料に依存しない生活スタイルの作り方
・定年延長で死ぬまで働く日本の高齢者貧困問題
・ドル収入を稼ぐデジタル副業の着眼テーマ
・米国で「静かな退職者」が急増する労働市場の異変
・見直される60~70代ワーカーの活用とフリーランス起業

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