日本では2004年に証券仲介業務が解禁されたことで、証券会社とは独立した立場で、金融商品のアドバイス(助言)や販売仲介をすることが認められるようになった。同時期から、オンライン証券会社と提携する形で独立系投資アドバイザーの起業例が増えている(JNEWSについてトップページ
独立系投資アドバイザーとしての仕事と収益構造

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/9/12

 欧米では独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)としての仕事が1980年代から存在しているが、日本では2004年に証券仲介業務が解禁されたことで、証券会社や銀行の組織とは独立した立場で、金融商品のアドバイス(助言)や販売仲介をすることが認められるようになった。

これと同時期から、独自の営業網を持たないオンライン証券会社がIFAを営業パートナーとする仕組みが生まれている。具体的には、顧客がIFAに資産運用の相談をして、株や投資信託などを購入すると、その取引手数料に対して50~70%のバックマージンが、証券会社からIFAに支払われている。IFAが主な提携先としているのは、楽天証券、SBI証券、あかつき証券の3社である。

《証券会社とIFAの関係》

しかし、この仕組みでは、手数料率が高い投資商品を勧める傾向が強くなることや、証券会社の取引手数料が無料化されると、IFAへのバックマージンも無くなってしまうため、最近でIFAが相談対応する顧客の口座残高に対して、一定率の報酬が支払われる「残高フィー型」のプランも用意されるようになっている。

楽天証券では、2019年からは一般の証券口座とは別に「管理口座コース」を設けている。このコースでは、口座の年間管理料として資産残高のおよそ1%を支払うことで、IFAのアドバイスが無料で受けられるようになり、年間管理料の一部がIFAにバックされる。このような残高フィー型では、顧客の資産残高に連動してIFAの収入も増えるため、手数料率が高い投資商品を無理に勧めることが無くなる。

楽天のIFA管理口座サービス

《IFA管理口座の仕組み》

【IFAによる家族信託スキーム】

顧客にとって、年間管理料を払ってまで、IFAに相談をするメリットがあるかは、ケースバイケースだが、管理口座コースでなければ購入できない投信信託の設定や、老後の資産管理や相続対策など詳しい個別相談のサービスを充実させることで、一般口座との差別化が図られている。

たとえば、楽天証券がIFAと連携して行う家族信託サービスは、自分が認知症や寝たきりになった時の介護資金を、家族に引き継ぐスキームとして利用できるもので、高齢の親と、家族(子や孫)が信託契約を結んだ後、親が運用してきた資産の一部を信託口座に移管しておく。通常の証券口座は、本人(高齢の親)でなければ資金を引き出すことができないが、信託口座があれば、受託者となる家族が親の資産(株式や投資信託)を現金化して、介護に必要な資金として使うことができる。

信託契約の手続きには、信託契約書の作成と、公証役場で契約書を公正証書化する作業が必要になるが、それらアドバイスや手続きのサポートを担当IFAが行うことで、法律に詳しくない個人投資家でも、老後の対策をすることができる。

楽天証券の家族信託

《家族信託による介護スキーム》

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