JNEWSについてトップページ
ミレニアル世代で広がるローン利用者と投資家層の経済格差

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/6/11

 2023年の国内株式市場は好調で、1990年以来30年ぶりの高値を付けている。
今回の株価上昇には、円安により輸出関連企業の業績が好調なこと、長らく下落していたハイテク株もAIが新たな材料となっていること、世界が金融引き締めを行う中で、日本だけが低金利政策を持続していることなど、複数の要因が関係している。

株価は、上昇と下落の波が交互に訪れるため、投資で資産を築くことは一筋縄ではいかないが、これからの時代は金融知識に関心を持つ者と、そうでない者との間で格差が開いていくことは間違いない。日本人は、少しでもリスクがある投資案件を避ける特性が強いが、正しい金融知識によって不透明にみえるリスクを軽減することは可能だ。

金融庁では、18~79歳の個人を対象にした金融リテラシー調査(お金の知識・判断力)を定期的に行っているが、その中で「10万円を投資すると、半々の確率で2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損のいずれかが発生するとします。あなたなら、どうしますか?」という質問を行っている。それに対して、7割の人は「投資しない」と回答している。

《お金の判断力を試す質問(2022年)》
(質問)
10万円を投資すると、半々の確率で 2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損のいずれかが発生します。あなたなら、どうしますか?
(回答)
○投資する……25.9%
○投資しない…74.2%

この質問を確率論で考えると、半々の確率で2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損が発生するため、投資1回あたりの期待値は次のように計算することができる、この確率であれば長期的に投資を行うことで、資金を増やしていける可能性が高い。

同調査によると、日本人は請求書などの支払期限を守ることについては、世界でもトップクラスの高い意識を持っている一方で、金利○%の複利で資金を運用すると5年後はいくらに増えているか、といった金銭感覚については、他国よりも劣っていることが報告されている。これは、学歴の違いよりも、子供の頃からの日常生活で金銭感覚を磨いていく習慣のほうが大きく影響している。

金融リテラシー調査 2022年(金融広報中央委員会)

大まかにいえば、日本の成人で資産運用や投資に関心があるのは2割で、残りの8割は証券口座すら持っていない。その理由には、資産運用をする経済的な余裕が無いこともある。

2024年からの新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠で年間360万円までの投資を非課税で行うことができ、トータルの非課税限度枠も1800万円までとなるが、その恩恵を最大限に受けられるのは、個人投資家の中でも上位2割の層に限られてくる。日本証券業協会が行った調査では、個人投資家の中で1000万円以上の有価証券(株式や投資信託など)を保有している割合は23.1%となっている。

《個人投資家の有価証券保有状況(2021年)》

個人投資家の証券投資に関する意識調査

上図が示すように、個人投資家のおよそ5割は運用額が300万円未満だが、一方で、純資産額を1億円以上に増やした新富裕層も増えている。高齢になるほど資産が増えていくのは当然としても、20~30代で新富裕層となる道筋が複数に増えているのが特筆すべき点である。彼らの絶対数は多くはないもの、その金銭感覚や人生プランからは学べる点が多い。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・新富裕層の資産形成方法と6のタイプ
・ミレニアル世代に広がる格差要因
・金利負担で元本が減らない米国学生ローンの実態
・日本にも広がる奨学金負債と高学歴貧困
・インフレで変化するFIREスタイルと価値観
・リスクを抑えて利回り4%を狙う米ドルMMF投資
・新NISA制度で狙うミリオネア投資の方法
・預金流出が引き起こすシリコンバレー銀行破綻の構造
・経済的自立と早期リタイアを狙う25年貯蓄と4%ルール
・コロナインフレで広がる貧富格差と富裕層の資産構成

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2023.6.11
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ


(起業家の成功法則)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2023年6月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon