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海外で注目されるハイイールド預金口座の高利回り貯蓄

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JNEWS会員配信日 2023/2/12

 日本を除けば、世界では政策金利の引き上げが行われて、2023年2月の時点で米国は4.75%、英国は4.0%の水準となり高金利の時代が訪れている。そのため、株式のようにリスクの高い投資をしなくても、高金利で貯蓄ができる選択肢が増えてきている。

ただし、大手の金融機関は長期的な金利変動の影響をみて、いまのところ預金金利の引き上げには消極的で、米国普通預金口座の平均金利は0.25%程度に抑えられている。その一方で、新興のネットバンクや中小の金融機関では、金利差が大きなこの時期を、新規顧客を獲得するチャンスと捉えて、預金金利を4%台にまで引き上げる競争が過熱してきている。

一例として、クレジットカードの発行を主力とする信販会社が母体として運営される Synchrony Bank(シンクロニーバンク)は、14ヶ月固定の定期預金が年利4.6%、ATMからの出金も可能な普通預金口座でも年利2.25%が設定されている。
これらの預金には、連邦預金保険公社(FDIC)の保険が適用されるため、同バンクが経営破綻したとしても最大25万ドルまでが保証される契約だ。

Synchrony Bank

このように高金利が設定された預金口座は「high-yield savings account(ハイイールド預金口座)と呼ばれ、大手銀行の預金口座とは一線を画すようになっている。ハイイールド口座の特徴は、サービスの大半をオンラインで行うことにより、店舗や従業員かかるコストを削減して、高い預金金利を設定する。ハイイールド=高い利回りを指している。

中小の信用組合などでも、オンラインバンクとしてハイイールド預金口座を手掛けるようになっているが、金利比較のネット検索をするユーザーがサイトに訪れるため、最高水準の金利設定を競うことで、広告宣伝費を投じなくても新規顧客の獲得ができる流れが生まれている

【高金利貯蓄口座の複合管理サービス】

 ドイツのFintech企業が運営するSaveBetter(セーブベター)は、元本保証がされている貯蓄口座の比較検討ができるサイトで、約16兆ドルあると言われる米国預金市場の集客ルートを変えようとしている。SaveBetterのサイトでは、米国内にある約400の銀行と提携関係を結び、普通預金や定期預金の金利検索、預金契約、口座の管理までを行える。

このサイトが単純な金利比較サービスとは異なるのは、SaveBetterアカウントを開設すると、貯蓄資金を安全にプールしながら、金利が高い銀行の預金口座を複数選択して、資金を振り分けられるようにしていることだ。

SaveBetterアカウントがメインの貯蓄口座となり、ユーザーが選択した提携銀行に預金される流れだが、ユーザーは各銀行との間で、預金の契約手続きをする必要はなく、SaveBetterアカウントの中だけで、すべての預金口座の金利、満期日、預金残高を管理することができる。SaveBetter自体は銀行ではないが、連邦保険に加入している銀行や信用組合のみを提携先としているため、ユーザー1人あたり最大25万ドルまでの預金は保証される。

《SaveBetter預金管理の仕組み》

SaveBetterのユーザーから人気となっているのは、年利4%を超す高金利のハイイールド預金だが、これらの預金商品は、地方の中小銀行や信用組合で提供されていることが多く、従来の方法では各銀行の店舗まで出向いて契約する必要があった。しかし、SaveBetterはネット上から、全米の高金利預金口座に資金を分散投資できる革新的なサービスとして、金融業界では物議を醸している。

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