起業家のための成功法則
  
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  地域の住民が少額の資金を出し合い、生活に必要な店舗や施設を共同経営していくスタイルは、「ロカベスティング=ローカル・インベスティング」として注目されている。非営利の活動ではあるが、その事業により収益が生じれば、出資者に配当も支払われる。
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地域住民で共同経営する
ローカルビジネスへの投資スキーム
written in 2012/1/24

 不況は田舎ほど影響を受けやすく、商店街ではシャッターが閉められたままの店が増えていく。ローカルなビジネスは、銀行からの融資が受けられないなどで、経営が難しくなることが多いが、それにより地元の失業者が増えたり、国外に仕事が流出するなどの副作用もあることから、地域ぐるみで資金繰りの支援をしていこうとする取り組みも起こっている。

一例として、ニューヨーク州の田舎にあるサラナク・レイクでは、地元住民が出資したコミュニティー・ストアーが運営されている。2002年に街にひとつあったデパートが倒産したため、人口5000人の町の住民は、肌着やシーツなどの日用品を買うためには50マイル(約80キロ)も離れたところに買い物に行くしかなかった。

この地域は、冬になると氷点下30度まで下がるため、寒さに耐えられる衣類や暖房用品などを、できるだけ近いストアーで買い揃える必要があったのだ。そこで住民は自分たちで、約110坪の空き店舗を活用したストアーを運営していくことを決めた。開業までに必要な資金は、およそ50万ドルだが、それを1株 100ドル単位で共同出資してもらえるように募集した。

《ストアー開業に必要な資金計画の内訳》

  

共同出資の計画が立ち上げられたのが2007年のこと、それから 600人の住民が1人当たり平均800ドルの出資をしたことで、この店は 2011年11月に「サラナク・レイク・コミュニティストアー」として開業することができた。出資者には、店の利益の一部が配当されるが、その地域のみで使えるローカル通貨として支給されるため、地域内にある他の店舗へと循環していく。



 このように、地域の人達が共同出資をして、その土地に必要な店舗や企業を支援することは、「Locavesting(ロカベスティング=ローカル・インベスティングの略)」と呼ばれ、ローカルビジネスの新たな資金調達スキームとして広がり始めている。

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この記事の核となる項目
 ●米国の地域格差と起業に適した場所の条件
 ●テレワーカーの発掘と育成をするビジネス
 ●米国のルーラル・テレワーク最新事情
 ●都会の客を獲得する靴底の修理業者に学ぶ
 ●地域住民によるローカルビジネスの共同経営モデル
 ●ルーラル企業の資金調達手段と新たな投資モデル
 ●世界共通ビジネスツールとなるSNS活用とローコスト英会話
 ●オフショアマネーが自国へ環流するルーラルソーシング市場
 ●新興国のエリート人材が鍵を握る今後の国際ビジネス動向
 ●黒船に乗った新興国の知的ワーカーが迫る労働市場の開放政策
 ●米国政府が仕掛ける公務員の在宅勤務制度と新オフィス構想
 ●未来生活で浮上する医・職・教のキーワードと田舎暮し市場


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