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家庭が資産価値を高める方法と
富裕層が求める匿名資産
written in 2008/11/9

 トヨタ「プリウス」の国内価格は 233万円(ベースグレード車)だが、米国では 22,000ドルに設定されている。これは為替相場が「1ドル=106円」で均衡のとれた価格であり、為替相場が「1ドル=90円」にまで変動すると、米国のプリウスは「22,000ドル= 198万円相当」に下落して、日本の消費者からはかなりお買い得にみえる。しかしトヨタにしてみると、為替だけで15%分の価値が目減りする非常事態といえる。

こうしてみると「お金(通貨)」の価値というのは、じつに不安定でリスクに晒されていることに気付く。サウジアラビアなどの産油国が石油の代金を「ドルは信用できないから違う通貨でくれ」と言うのにも頷ける。しかし今回の金融パニックでは、米ドルよりも他の通貨のほうが暴落率は高く、欧州のユーロや他の新興国通貨は30%以上も下落している。

そうなると世界の通貨に対する信用が揺らいで、様々な噂話が飛び交うようになる。いま金融市場で懸念されているのは「多額の債務を抱えている国が、従来の通貨を新しい単位に変更する方法で、実質的な価値を切り下げるのではないか?」ということだ。すると国の債務は大幅に減らすことができるが、その通貨を持っている国民の預金も価値が減少してしまう。それを回避するには、いまのうちに通貨以外で「価値が目減りしない資産」に換えておくことである。そんな話が富豪達の間で白熱しはじめている。

その兆候といえる動きとして、最近では“金貨”が世界中で品切れの状態だ。金貨は普段の買い物で使っている 100円や 500円玉とは違って、金(ゴールド)を材料にしたコイン(硬貨)である。いまの日本では、天皇即位などの記念金貨が希に発行されている程度だが、常時発行されている金貨としては、カナダの「メイプルリーフ金貨」、オーストリアの「ウイーン金貨」、米国の「イーグル金貨」、英国の「ブリタニア金貨」などがある。いずれも国の造幣局が製造している正式な貨幣であり、コインに表記されている額面の金額で使うことができるが、実際にはそれよりも高いゴールドとしての価値で取引がされている。

たとえば、額面が「50カナダドル」のメイプルリーフ金貨は、99.99%がゴールドでできている24Kの純金製で、重量が1オンス(31.1035グラム)あるため、いまの金相場ではコイン1枚が約8万円で取引されている。しかし先般の世界的な金融危機により、通貨から金へと資産を持ち替えようとする動きが各国で高まり、金貨が品切れになっている状況だ。

その流れからすると、いまのうちに金を購入しておけば、相場が値上がりして儲かるのではないかと考えたくなるが、今回の金貨に対する人気は、従来の金投資とは少し傾向が異なっている。日本では「円」の暴落が起きていないことから通貨危機に対する不安は少ないが、世界の資産家は“自国の通貨”よりも信用できる資産探しに奔走しはじめている。彼らにとって、金融危機を乗り越えられる今後の資産とは何なのかを探っていくことにより、現代の資産運用には深刻な欠点があることを浮き彫りにしていこう。
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この記事の核となる項目
 ●イザという時には価値を失う“お金”の真実
 ●預金封鎖は既に起こっているという現実
 ●電子マネー時代に起こる口座封鎖の新たな形
 ●電子化されて管理されれている我々の資産リスク
 ●欧米人はなぜ金貨の購入に走るのか?命を守る本物資産
 ●価値が消滅することがない金(ゴールド)の特徴
 ●市場が封鎖されても生き残る金貨の役割
 ●モノを換金する市場としてのネットオークションの役割
 ●ネットオークションが変える家庭の時価総額
 ●家庭が資産価値を高める方法と富裕層が求める匿名資産
 ●波乱の時代に人気化する匿名資産の特徴
 ●電子マネー社会に求められる「お金」の発想転換と新商売


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