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売上高1億円達成へのシナリオ
written in 1999.5.17

 実店舗経営(小売業)の世界では年間売上高(年商)が1億円を超えると「商売人として一人前」として認められる。サラリーマンから商売人へと転身する人にとって1億円の売上高は遠い目標値だが、これを目指さない者は淘汰されて生き残れないのが現状だ。

 もちろん家内経営で2000〜3000万円程度の年商でも近々の生活していくことは可能。ただし商売の世界では規模の経済性が作用して競合相手は時間経過と共に巨大化していくために「小さくても良い店」の判断基準も次第に大規模化していく。そのため現代の小売店(実店舗)として生き残るための最低年間売上高は「1億円」と言われている。


1億円の売上が必要な理由

<●顧客満足度からの視点>

 これからの小売店が重視していく戦略として顧客満足度の充実策がある。顧客への対応を親密にしたり、返品をすべて受け付けたり、商品の保証期間を長くする、店内を定期的に改装する、等、具体的な項目は数え切れないが、これらを実行するためにはすべてコストがかかる。

 顧客側の満足度を高いポジションで維持し続けるためには、売上高の特定ボーダーラインを常にクリアーしている必要がある。この基準値となるのが実店舗の場合には年商1億円なのだ。

<●メーカー、問屋への対策>

 小売店だけでなくメーカーや問屋も生き残りをかけて取引先の選別に力を入れている。売上規模の小さな小売店は彼等にとって取引効率が悪く、なるべくなら切り捨ててしまいたい相手になる。メーカーや問屋との関係を良好に保っていくためには最低限の売上規模をクリアーすることが大切だ。

<●経営体力の充実>

 事業を継続していくためには「設備の拡充」と「人材の拡充」は避けては通れない。小規模運営のまま、今の体制で円滑に商売が回っていても、強力な競合者の出現や自社側の有能なスタッフが退職することにより大きな危機を向かえることになる。

 どんなトラブルが発生しても、それを乗り越えられるだけの設備と組織を持つためには小売業者なら早い段階で年商1億円程度にまで成長して経営体力を強化しておかなければならない。


オンラインショップが目指す経営指標

 インターネッ上で運営されるオンラインショップでは実店舗の維持コストが必要ないために通常の小売業よりも採算性は良い。ただし売上と顧客数を伸ばすためには設備と人材の拡充をしていかなければならない点は既存の商売と同じだ。

 実店舗の指標では従業員1〜4名程度の小規模小売店(黒字経営)の平均年間売上高は約4500万円。従業員一人あたりの売上高は約1600万円である。

<実店舗(小売業)の平均指標>

 ・店舗の従業員数      3名     8名     15名
 ────────────────────────────────
  ◎年間売上高      4700万円  1億4000万円  3億9000万円
  ◎平均粗利益       38%    40%     36%
  ◎従業員一人
   あたり売上高     1670万円   1880万円   2630万円
  ◎従業員一人
   あたり人件費(月)  19.8万円   27.3万円   34.2万円

※中小企業庁データより作成

 従業員一人あたりの売上高は店舗の規模によって差がある。これは商売のスケールメリットによるもので、店の規模や従業員が多くなるほど従業員一人あたりの売上高も大きくならなければいけない。従業員が5名を超えたあたりで年商1億円を達成するのが平均値であり、従業員が10名で年商1億円に到達しても経営的にはかなり厳しい。

 この指標をオンラインショップ経営に応用すれば年商1800万円(月商 150万円)程度まではWebマスター1人の運営でがんばりたい。それをクリアーした段階で外部スタッフやアルバイトを活用し、年商4000万円を達成すれば正社員2名+外部スタッフの体制にするのが健全な指標。そして正社員5名で年商1億円を達成できればインターネット企業として一人前だ。


年商1億円達成のために

 しかし現実には適正な人件費率と利益率を確保しながら年商1億円を達成している国内オンラインショップは極めて少ない。既存の販売網を持たずにゼロから出発した小規模オンラインショップでは売れていても年商2000〜3000万円規模が主流だ。

 年商1億円を到達するために必要な1日の売上高は約28万円。客単価が6000円のショップなら1日に約47件の注文があれば良いことになる。売れているショップの注文率をアクセス数(Top page)に対して5%として計算すれば、1日に940アクセスが獲得できれば目標達成だ。

   ◎年商1億円÷365日=約28万円 <----- 1日の売上高
         │
         ↓
   ◎28万円÷客単価 6000円=約47件 <--- 1日の注文件数
         │
         ↓
   ◎47件÷注文率5%=940アクセス <--- 1日のアクセス数

 1日のアクセス数を200から300へと上昇させるのなら、従来からの努力項目を継続していくだけでも達成可能だが、900 アクセス以上に伸ばすには新しい企画や取り組みが必要だ。

 具体的にはコミュニティとして成長するコーナーやオークション企画を導入することが定番。ここで注意してほしいのは「アクセスの質」を落とさずに数を増やすという点。1日 940アクセスで年商1億円を達成するためには、あくまでも注文率5%をキープすることが前提だ。

 その他にもメールマガジン運営による販売システムの構築も効果的。ショップで取り扱う商品に関連したメールマガジンを運営して、その中に商品販売の記事も掲載する。配信部数1万部に対して1%の注文率があれば100件の注文、客単
価 6000円なら 60万円の売上となる。

 もちろんこれらの計算は理論値に過ぎないが、オンラインショップとして生き残るために年商1億円を目指すなら、具体的なシナリオ(数値目標)を立て、それに向かって努力していくことが重要だ。95〜96年頃ならまだしも、99年のEC業界に「偶然の成功」はあり得ないのだから。


これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年5月17日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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