交差比率とは、(粗利益率×商品回転率)の公式で求められる指標で、一般的には、高額商品や嗜好性の高い商品ほど交差比率は低く、スーパーやコンビニで売られているような日用品ほど交差比率は高くなる(JNEWS
交差比率から導く儲かる商売、業界の見つけ方

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JNEWS会員配信日 1999/3/29

 独立希望者からの相談では「この商売は儲かりますか?」「儲かる商売を見つけたいのですが・・」という質問が多い。商売人にとって儲かる事業を見つけることは永遠のテーマであるが「何をもって儲かると判断するか」の基準は非常に難しい。

 客数や売上が順調に伸びていても突然倒産する企業もあれば、地味な商売でそんなに売上規模が大きくなくても、魅力的な最終利益が確保できている商売もある。もちろんそれは経営者や従業員の努力による賜物だが、業界によって「儲かり具合」の環境が異なっているのも事実。

 自分の得意分野、興味のある業界に注目して独立開業準備をすることも決して悪くないが、実際に開業してから「こんなに儲からない商売だったのか・・」と後悔するケースも少なくない。これは決して「景気が悪いから」とか「資金が足りないから」という解決不可能な問題でなく、独立前にちょっとした商売の知識を身につけて、事前に市場調査してみれば簡単に回避できる自分自身の問題であることが多い。

 儲かる商売を見つけ出す手法は決して一つではなく、常に姿や形を変えていくが、最も簡単でわかりやすい方法を「粗利益」と「商品回転率」を使って解説してみよう。

【交差比率による儲かる業界の見つけ方】

 モノを売る商売なら粗利益(販売価格-仕入原価)が高いほど儲かるように考えるが、実際には粗利益が高い商品ほど、数が売れない商品カテゴリーであることが多い。つまり商品回転率が低いわけだ。寂れた小売店でホコリをかぶっているような在庫は、それに該当する。

《商品回転率算出方法》

 粗利益率が高くて、商品回転率も高い商品ほど儲かることになる。これを把握するための指標が(粗利益率×商品回転率)の公式で求められる「交差比率」である。一般的には、高額商品や嗜好性の高い商品ほど交差比率は低く、スーパーやコンビニで売られているような日用品ほど交差比率は高くなる。この性質を考慮しながら各業界の交差比率を比較検討してみることで、有望な市場や業界を発見する糸口になる。

《各業界の交差比率》

 ここで注意しておくべきは、「交差比率が低い=儲からない」「交差比率が高い=儲かる」と簡単に考えてはいけない点。スーパーマーケットはかなり高い交差比率を指しているが、店舗運営していくためには多くの従業員を雇う必要があるため人件費も高くなる。小売業には商材毎に異なる、売り方の特徴がある。

そこで、各業界の平均的な「粗利益率」と「商品回転率」から、業界に風穴を空ける参入ポイントを見つけることができる。たとえば、メガネ業界は粗利益は高いが、商品回転率は低い。この場合には、粗利益率を若干下げた価格設定にする一方、在庫管理をコンピュータ化して商品回転率を高めることによって、既存店とは異なったタイプの店舗展開をすることが可能だ。既に全国展開しているメガネの量販店ではここに着目することで交差比率を800%程度まで高めた経営を行っている。

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