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数字が教えてくれる
オンライン売れ筋商品の作り方
written in 1999.2.4

 商売、特に物販業には「売れ筋」とそうでないものとがある。これは「売れる商品」としての特性が古くから決まっているのではなく、普通の商品を売れ筋商品にに変身させる仕掛け人の努力によるものが大きい。米国EC業界での売れ筋は「旅行関連(チケット、宿泊予約等)」「パソコン関連」「ギフト関連(花等)」「食料品」「書籍・CD」となっているが、その中でも日本人ユーザーの誰もが認める売れ筋は"amazon.com"が普及させた書籍販売だ。

 しかし"amazon.com"の存在がなければインターネット上の書籍販売が、ここまで売れ筋として認知されなかっただろう。ユーザー側にすれば確かに膨大な書籍情報の中から目的の本を簡単に購入できるメリットは大きいが、商売として書籍のデータベース販売を成功させるための条件は決して良くない。"amazon.com"のように安売りを看板にすれば粗利益は微々たるものだが、膨大なアイテム数の中から1オーダー毎に異なる商品を小口で販売すれば経費負担はかなり大きく、売上が伸びてもなかなか儲からない。

 その辺りの事情に詳しくない人の中には「書籍だからインターネットで成功できた」と考える向きも少なくないが、実際には「書籍でもインターネットで成功した」と考えるのが正しい。つまり書籍以上にインターネット販売に適した商材はたくさん眠っているのだ。特に米国と日本とでは商品の仕入れルートや商慣習が異なるため「米国での売れ筋商品=日本でも成功する」とは限らす、未知なる売れ筋商品が国内にたくさん眠っているはず。

 それではどんな視点で各業界や商品を捉えれば有望ジャンルが見つけられるのかを考えてみたい。分析ための重要な指標として活用できるのが各業界の「商品の粗利益率」と、商品を売るためにどれだけの経費がかかるのかを示す「販売費比率」である。


売るための経費・販売費率とは

 実際に物を売って儲けるためには商品の粗利益率だけに注目するのではなく、商品を売るための経費がどの程度必要なのかも重視しなくてはならない。粗利益率が高く、かつ店に商品を並べておくだけで次々と売れていく商品が理想的だが、そんなに条件の良い商材は見つからない。そのため広告宣伝を積極的におこなったり、専門知識の豊富な従業員を雇ったり、営業マンに外商させるなど「売るための経費」は様々だ。これを総合して「販売費」と呼ぶ。

<販売費に含まれる経費>
 ・販売員、営業マンの給料(事務員の給料は含まれない)
 ・旅費、交通費
 ・通信費
 ・支払運賃(送料)
 ・商品梱包費
 ・宣伝広告費
 ・その他

 例えば売上額に対する粗利益率が38%あっても、売上高に占める販売費の割合「販売費比率」が15%かかっていれば純粋な利益率は23%(38%−15%)となる。しかしこの販売費比率を8%に抑えることができれば利益率は30%
(38%−8%) に上昇する。これを金額ベースで換算すれば大きな差であることが理解できるはずだ。

     ◎年間売上額5000万円×(38%−15%)=11,500,000円
     ◎年間売上額5000万円×(38%− 8%)=15,000,000円
    ---- -------------------------------------------------------
    ☆同じ5000万円の売上額でも350万円の利益差が生じる。



インターネットと販売費

 最近では「コスト削減」が企業の努力目標となっているが、そのメインターゲットとなるのが販売費項目だ。販売費の中で大きなウエイトを占めるのが、販売員、営業マンの給料と宣伝広告費で、これらを削減することができれば売上規模が横這いでも利益体質を大きく改善することが可能になるわけだ。

 販売費削減の具体策としては、やはりインターネット活用に大きな期待がかかる。全国に事業展開している企業であれば商圏を広げる毎に営業所や支店を開設して人員を配置しなければいけないが、不採算店を廃止してインターネット内のオンラインショップに切り替えれば、新たな商圏を開拓できると同時に販売費を大幅に削減することができる。

 全国展開していない地元中小企業にしても営業人員や広告宣伝費を削減してインターネット戦略を本格的に導入することは、停滞していた新規市場開拓、商圏開拓や利益率改善に大きな効果をもたらしてくれるはずだ。


販売費が指すインターネットに適した業界

 周知の通りインターネットを活用して事業展開することで経費負担を低下させるメリットがある。販売費の中で最も負担が大きい販売員、営業マンに対する人件費もサイバースペースなら商圏規模と比較して小規模に抑えることができ、上手にマーケティングをすれば広告宣伝費をかけなくても顧客を呼び込むことができる。

 これらの点からインターネットを活用することで大きな恩恵を得られるのは、従来の商売方法では高い販売費比率が粗利益を圧縮していることに悩んでいる業界だ。営業マンを多く抱えたり多額の広告宣伝費を投入できる業界というのは、逆の視点から見れば高い粗利益が設定できる恵まれた商材を確保している業界と判断しても良いだろう。下記に主な小売業界の粗利益率と販売費比率を整理してみた。

<主要小売業の粗利益率と販売費比率>
             粗利益率  販売費比率(売上高広告比率)
 ・化粧品小売       39.4%   13.5%  (2.2%)☆
 ・書籍          20.5%    8.4%  (0.2%)
 ・スーパーマーケット   23.2%   10.5%  (1.0%)
 ・コンビニ        23.6%    5.1%  (0.5%)
 ・呉服(着物)      43.7%   16.9%  (2.3%)☆
 ・寝具(ふとん)     41.9%   14.3%  (1.3%)☆
 ・衣料品(婦人服)    37.3%   14.0%  (1.7%)☆
 ・靴           34.2%   10.2%  (1.5%)
 ・酒           20.5%    5.7%  (0.5%)
 ・食肉・食肉製品     38.7%   13.8%  (0.8%)☆
 ・鮮魚          33.7%   13.4%  (0.8%)☆
 ・野菜・果実       32.7%    7.1%  (0.4%)
 ・菓子・パンの製造小売  60.7%   22.7%  (1.2%)☆
 ・緑茶・コーヒー・紅茶  41.5%   16.5%  (2.5%)☆
 ・家具・インテリア用品  36.3%   13.7%  (3.1%)☆
 ・陶磁器・ガラス器    38.5%    9.9%  (1.7%)
 ・家電販売        36.3%   13.5%  (0.9%)☆
 ・医薬品         31.4%   10.5%  (1.4%)
 ・文房具         28.2%    8.4%  (0.5%)
 ・おもちゃ        49.5%   15.1%  (0.7%)☆
 ・楽器          36.1%   12.0%  (0.9%)
 ・カメラ         45.2%   16.4%  (2.0%)☆
 ・時計・貴金属      42.3%   16.2%  (3.2%)☆
 ・メガネ・コンタクト   57.2%   18.5%  (4.6%)☆
 ・花・植木        45.8%   16.4%  (0.9%)☆

 ※粗利益率、販売費率は各業界黒字企業の平均値(出所:中小企業庁)

 ☆を付けたものが販売費比率から判断してインターネットを活用することでメリットが大きいと予測できる業界。既にオンラインショップではメジャーになっているものもあるが、未だ手つかずの業界も多い。その中には仕掛け方次第では3年後に「売れ筋の定番」となっている商材がたくさん眠っているはずだ。


これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年2月4日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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