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商品単価の法則から導くWebショップ効率運営法

Written in 1998.9.8



 Webショップ運営は繁盛し始めるととても忙しくなる。毎日のページ更新、注文処理、商品管理、商品発送、入金管理といった一連の作業に追いまくられて睡眠時間を削らねばらなないほどだ。更にWebは24時間、365日稼働しているので数日間休んだだけでメールが処理できないほどたまる。月商数百万円規模にまで成長したWebショップでは程度の差こそあれ、そんな悩みを抱えているようだ。

 しかし「繁盛→繁忙」のメカニズムはリアルな店舗でも古くから抱えている問題。繁忙でも十分な粗利益が設定できている間はいいが、他店との価格競争に巻き込まれて利益率が低下してくると「忙しいだけで儲からない」という最悪の状況へと陥ってしまう。

 そこで、この問題解決に役立つ法則として以下の点に気を付けてもらいたい。




商品単価と経営効率の法則


  ┌─────────────────────────┐
  │●単価の低い商品は投資効率が良いが経費効率が悪い。│
  │●単価の高い商品は投資効率が悪いが経費効率が良い。│
  └─────────────────────────┘

 専門家が小売業の業績を診断するための指標として「坪当たり売上高」というのがある。これは売り場面積を坪数でわり算した3.3平方メートルあたりの売上高であるが、このデータを分析してみると、単価の低い商品ほどど「坪当たり売上高」が高く、単価の高い商品ほど「坪当たり売上高」が低いという特徴があるのだ。

※「坪当たり売上高」からは投資(家賃)効率が把握できる。

 わかりやすく百貨店の特売会場に置かれている一坪のワゴンセールを例に考えてみよう。1000円均一といった単価の安い商品が置かれているワゴンにはたくさんの人が群がっているが、単価5000円程度の高い商品が置かれているワゴンには集まる人が少ない光景はよく目にする。一日の売上高で確認しても安いワゴンの方が大きな売上を獲得している。

 しかし低い単価で大きな売上を獲得するためには、作業量が多くなるために販売人員を多くしなければならない。これが人件費としてコスト高になるので経費効率は良くない。下記のような例で理解してもらいたい。

<百貨店売り場別比較の考え方>
     売り場面積  月間売上高  従業員数  従業員数一人売上
食料品売場  20坪    1200万円   8人     150万円
家具売場   20坪     600万円   2人     300万円

 「坪当たり売上高」から判断すれば家具売場よりも食料品売場のほうが効率は良いが、経費(人件費)効率から考えれば家具売場のほうが良いことがわかる。

 これらの法則を整理して考えてみよう。
 小売業の商売は成長していく過程において「売り場面積を拡大していく」ことと「従業員を増員していく」ことが必要になる。しかし売り場と人員を全く同じウエイトで拡大していくことはまずない。家賃が高い場所なら売り場を広げずに人員を増やすことで売り上げ拡大を狙うし、家賃が安い場所で人件費が高いなら、人員を増やさずに売り場面積を広げることで売り上げ拡大を狙うのが経営者の考え方だ。

 つまり上記の説明から・・

◎家賃上昇負担より人件費増加負担が大きい
   (家賃上昇負担<人件費増加負担)場合には単価の高い商品を中心に販売するのが良い。

◎家賃上昇負担より人件費増加負担が小さい
   (家賃上昇負担>人件費増加負担)場合には単価の安い商品を中心に販売するのが良い。

ということを理解してもらいたい。




Webショップの効率運営とは


 インターネット上での小売業の場合にももちろん「商品単価と経営効率の法則」は当てはまる。ただここで注目しておきたいのはインターネット上では売り場面積の拡大はサーバーのディスク容量を増やすだけなので「家賃上昇の負担は皆無」だという点。やはり最大の課題は人件費増加負担にある。

 商品単価別に同じ規模のWebショップの採算状況を試算してみよう。

●月間売上300万円・商品単価2000円のWebショップの場合
  ◇月間注文件数=300万円÷2000円=1500件
  ◇一日の注文件数=1500件÷30日=50件
  ◇一日のメール処理数
    注文件数の約3倍のメール処理があると仮定して---->一日150通

 注文対応、メール対応の他にもWeb制作、商品の梱包・発送、入金管理等の作業があることを考えれば最小でも3名の人員体制が必要だろう。ここから採算性を算出してみると・・
          │
          │
          ↓
[商品粗利益率40%で試算]
月間売上300万円×40%=120万円 <-----月間粗利益高

1名分の人件費を月25万円として3名体制なら
25万円×3名=75万円 <-------------------月間人件費

よってその他の経費を差し引く前の利益高は
120万円−75万円=45万円となる。

●月間売上300万円・商品単価15,000円のWebショップの場合
  ◇月間注文件数=300万円÷15,000円=200件
  ◇一日の注文件数=200件÷30日=6.6件
  ◇一日のメール処理数
    注文件数の約3倍のメール処理があると仮定して---->一日20通

 一日6件の商品発送作業と20通のメール処理にその他の作業を合わせてもWebマスター1名で運営することが可能。上記と同じく採算性を算出してみると・・
          │
          │
          ↓
[商品粗利益率40%で試算]
月間売上300万円×40%=120万円 <-----月間粗利益高
1名分の人件費は月25万円(1名体制)<------月間人件費

よってその他の経費を差し引く前の利益高は
120万円−25万円=95万円となる。

 同じ売上規模(月商300万円)のWebショップでも商品単価の大小により実質的な利益額は大きく異なる点に注意しなければならない。特にメール対応には手間がかかるために、メール数の増加に伴って人的負担が上昇していくのがインターネット通販の特徴だといえる。

 つまりWebショップのスタッフ体制を増員せずに売り上げ規模を伸ばしていこうとするなら、取り扱う商品単価を徐々に高めていくことが、商売が軌道に乗り始めたWebショップの次の戦略として重要。人気の高い今までの低価格商品を購買意欲を高めるための誘導商品と位置づけて、そこから高利益の見込める高額商品まで買わせるような商品説明やページレイアウトのノウハウを構築して、客単価を上昇させることに成功したショップが売上額を他店よりも1ランク上に引き上げられるのだろう。


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