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廃棄食材の価値を算定するゴミ箱とフードロス教育

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JNEWS会員配信日 2020/9/2

 ホテルやレストランの厨房では、無意識のうちに大量の廃棄食材を出しているが、その分量を正確に記録するだけでも、食材ロスを2割以上減らせられるという調査結果が出ている。従業員1人ずつが、食材を無駄にすることの自覚と責任感を抱くようになるためだ。その習性に着目して、海外では廃棄食材の計量システムが開発されている。

米国オレゴン州を拠点とするLeanPath社(リーンパス)が開発したのは、レストランの厨房で捨てられる食材をカメラで自動撮影した後、廃棄の理由(調理ミス、賞味期限切れ、過剰生産等)をタッチパネルで選択すると、曜日や時間帯、食材の種類別にどれだけの量が廃棄されて、いくらの利益損失が生じているのかを統計データとして把握できる、食材廃棄のトラッキングシステムだ。

ファーストフード店向けには、商品のメニュー別に売れ残り在庫が廃棄される数量をトラッキングできる製品も開発されている。多店舗展開するファーストフードチェーンでは、本部が各店舗の食材廃棄量を正確に把握することで、調理マニュアルを改善したり、時間帯別に在庫としてストックしておくべき調理数を決めることができる。

LeanPath
■食材廃棄トラッキングの紹介映像

同様に、スウェーデンで2012年に設立されたGrace Organic社でも、廃棄食材のトラッキング装置を開発している。こちらの「Plate Waste Tracker」というゴミ箱は、高校や大学の学生食堂などセルフサービス型レストランに設置することを目的に設計されている。顧客が食べ残した食材を捨てると自動計測されて、ゴミ箱に設置されたディスプレイ上に、フードロスの分量が表示される。

この製品は、フードロス対策の教育的視点から開発されたもので、学生は自分が廃棄する食材の量を毎日意識することで、サラダバーやビュッフェを利用する際にも、食べられる分量よりも多めの料理を取り過ぎる習慣を改善することができる。フードロス対策サービスの主要項目には、食品廃棄が多い食事の習慣や買い物スタイルを改善する「教育」にも、じつは大きな市場規模がある。

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