環境ビジネス・エコビジネス事例集
  
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  趣味の家庭農園を少し飛躍させて、自給自足を目指そうとする人や、収穫した野菜を出荷して副収入にしたいと考える人が増えている。そんな人達に効率的な栽培技術を指導することが、プロ農家の新たな仕事になっている。
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家庭農園による自給自足と収益化をサポートする
新農業ビジネス
written in 2013/3/13

 スモールビジネスとして経営されるアーバンファームは、裏庭や空地など都市内の遊休スペースが活用されているため、多額の設備投資をせずに、大型機械を必要としない範囲で農業を営んでいるのが特徴。

その一方で、収穫した物をすぐに顧客に届けられるため、売り先を見つけるのは比較的容易で、街中のレストランと契約して一括納入しているケースも多い。その場合には、レストランが希望する野菜を栽培したり、収穫の時期をレストランの都合に合わせるなど、クライアント毎にカスタマイズした農業ができるのも、生産地と消費地が直結したアーバンファームの長所といえる。

ワシントン州シアトルにある「Amaranth Urban Farm(アラバンス・アーバンファーム)」という農園は、商業ベースでの都市農業を実践しており、同市内の消費者を会員としたCSA方式で有機栽培を行っている。年間 784ドルの会費を払うと、収穫期のシーズンに、野菜、果物、ハーブ、蜂蜜などが優先的に配布される。都市農業のため、農場から10マイル(約12km)以内で顧客が組織化されており、会員はいつでも農場を訪問できる他、収穫期には会員間の親睦を深めるパーティも開催されている。

この農園を経営するのは、カリフォルニア大学サンタルーズ校で、持続可能な有機農業を科学的に学んだ卒業生である。彼らの起業スタイルとして、都市の遊休地を、地主から借り受けて農場に再生し、同じ地域の消費者や飲食業者と直接取引をするアーバンファームの形態は、小資本で開業でき、都市の食料不足を解決できることから、理想的なものになっている。

また、米国では、一般の家庭ができる野菜作りとして、「スクエア・フット・ガーデニング」という家庭菜園の手法が流行っている。これは、4×4フィート(約1.5平米)を1区画とした箱庭を作り、その中で多種類の野菜を栽培するもので、従来の農作業よりも手軽にできるのが特徴。自宅の庭のサイズに応じて区画を増やしていけば、家族で食べる分量の野菜を自給自足できるというものだ。


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この記事の核となる項目
 ●なぜ都市での農業が注目されているのか?
 ●地域別の一日あたり野菜摂取量からの分析
 ●アーバンファーム経営の特徴と利点
 ●家庭菜園とレストランとの仲介ビジネス
 ●土地を持たないフリーランス農業者の登場
 ●企業が手掛けるアーバンファームの収益性
 ●アーバンファーム企業の成功ビジネスモデル
 ●都市の屋内で行われる魚の養殖ビジネス
 ●CSAとワークシェアの融合による食料調達
 ●お金を使わずに豊かな生活を追求する新ライフスタイル
 ●欧州ワイン農家が守る「信用」の築き方と新ビジネス
 ●米は買わずに「貰う」自給自足型農業コミュニティ事業


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JNEWS LETTER 2013.3.13
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