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シルバー人材センターに代わる高齢者向け軽作業サービス

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JNEWS会員配信日 2022/10/9

日本では少子高齢化による人口減少が進む中でも、世帯数は昔よりも増えている。1980年には総世帯数が3500万件だったのが、2020年には5500万件にまで増えた。これは、大家族→核家族→単身者という家族構成の変化によるもので、現在では、単身または二人で住む世帯の割合が6割を超している。国の将来推計によると2025年まで世帯数は増加して、その後は徐々に減少していくものの、2040年の時点でも世帯数は5000万件を維持していく。

《日本の世帯数推移》

世帯の数だけ住宅供給は必要になるため、賃貸・持ち家の住宅市場が衰退する懸念は当面なさそうだ。新しい家に住みたいという需要は常にあるため、住宅業界では、生活スタイルの変化に対応した住宅プランを提案することで、若いファミリー層を獲得している。

その一方で、高齢一人暮らし世帯の増加に伴い、自宅の管理を業者に任せたいというニーズも増えている。家の簡単な修繕や庭の草刈りなどは、これまで同居する家族が行っていたが、配偶者との死別によって一人暮らしになると、自分では作業ができなくなってしまう。この問題は地味なようでかなり大きい。

2020年の国勢調査によると、75歳以上で配偶者と死別または離別した人は男性が146万人、女性が672万人となっており、何らかの生活サポートを必要としている。
これを有償サービスの市場と捉えると、月に1万円の料金で約1兆円の市場規模になる。2025年には「団塊の世代(1947~1949年生まれ)」がすべて75歳以上になることから、要介護までには至らない高齢者の生活支援サービスは、これからの本格的な需要拡大が見込める市場で、地域密着型のローテクビジネスが成り立ちやすい。

【シルバー人材センターの変化】

日本では、これまで軽作業サービスの受け皿としてシルバー人材センターの存在が大きく、民間業者の参入障壁となっていたが、そこにも変化が起きている。もともとシルバー人材センターは、定年退職をしたシニア層に生き甲斐を与えることを目的として、仕事の仲介をしている。利用者も、民間業者よりも安い料金で軽作業を頼めることから人気がある。

しかし、同センターの登録者数は、2009年には79万人だったのが、2021年には68万人にまで減少している。これは、シルバー(高齢者)として働くことに抵抗感を抱く人が増えていることと、仕事の受注単価が低いことが関係している。

《シルバー人材センターの会員登録数》

統計によると、シルバー人材センター会員の平均報酬額は、月に9日間の就業で3.6万円となっており、時給換算では法定の最低時給を下回っている。センターと会員との関係は、雇用ではなく請負により仕事の受発注をしているため、最低時給以下の報酬体系が成り立っているが、「シルバー人材に低報酬で仕事を斡旋する」という制度自体が、時代遅れなものになってきた。2025年には、企業の65歳定年制が義務化されることから、シルバー人材の登録者は更に減少していくことが予測されている。

そのため、これまでシルバー人材センターで受発注されてきた仕事には、民間業者が適正料金で参入できるチャンスが生まれてきている。全国のシルバー人材センターが受注している年間の契約高は約3000億円だが、料金設定は民間よりも大幅に安いことから、適正な軽作業の料金体系では1兆円超の市場規模に匹敵する。

《シルバー人材センターの主な仕事内容》

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・シルバー人材センターに代わる草刈り代行市場
・米国で急成長する芝刈り代行業の市場動向
・芝刈り代行マーケットプレイスの収益形態
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