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使い捨てゴミを減らすリユース容器のレンタルビジネス

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JNEWS会員配信日 2021/11/3

 日本国内で年間に廃棄されている使い捨てプラ容器は、消費者一人につき約32kgといわれ、米国に次いで世界で2番目に多い量になる。家庭ゴミの中で6割を包装容器が占めているため、これを減らすことが、カーボンフリー社会を実現させる課題の1つになっている。環境省では、2030年に包装容器の6割、2035年までには完全にリユース・リサイクルできる形にすることを目指している。それに伴い、使い捨て容器の使用が多い事業者に対しては、改善の指導や命令ができる法律の制定も計画されている。

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案(環境省)

《家庭ゴミの種別(容積比率)》

コンビニやスーパーで販売される食品の大半には、使い捨て容器が使われているが、これを再利用型に変えるということは、消費者の買い物スタイルも大きく変化することを意味している。

イオンが2021年5月から洗剤、芳香剤、シャンプーなど13品目で導入しはじめたリユース容器型の商品は、ガラスや金属など耐久性のある素材で高級感を出した上で、従来よりも110~880円割高に販売する。これが容器のデポジット(預かり金)となり、中身を使い終えて容器を回収ボックスに返却すると、専用アプリを介して容器代が返却される。回収された容器はメーカーで洗浄、再利用される流れになる。

イオンのリユース容器回収サービス

この仕組みには、2020.1.25号で紹介した米リサイクル企業のTerraCycle社が開発した「Loop」というリユースのソリューションが導入されている。メーカーや小売店にとっては、従来の使い捨て容器を、部屋のインテリアにも配慮したリユース容器に変えることで商品の付加価値を高めることができ、詰め替え用のリピート需要を増やせる利点もある。

TerraCycle Loop

《リユース容器回収のビジネスモデル》

デポジット方式による容器回収の仕組みは新しいものではなく、アルミ缶やペットボトル容器が普及する前の時代に、ガラス瓶の回収で行われていたものだ。その方式が再び見直されており、ドイツでは、ビール、清涼飲料水、ワインなどのメーカーに対して、デポジット制によるリユース容器の使用が法制化されて、容器回収率が73%を上回ることが義務付けられている。

海外では、使い捨て容器の製造や利用を禁止して、リユース容器の回収率を90%前後にまで高めようとする規制強化の動きが加速してきている。それに伴い、食品や消耗品の販売方法も変えていく必要があり、新たな容器開発に向けた新ビジネスや、容器を使わない小売業の業態が成長してきている。

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・テイクアウト容器のレンタルビジネス
・リユース容器レンタルの仕組み
・ダンボールに代わる配送ボックスの開発商機
・eコマースの荷物量を減らす配送シューション
・2形態で成長するバルクショップの方向性
・量り売りショップの仕組みと店舗展開方法
・まとめ買いで購入単価を下げるバルクショップ
・株式市場が牽引するカーボンニュートラル経済
・ネット小売業の躍進と共に増える返品商品の解決
・有料化されるゴミ問題解決ビジネス新規参入の方向性
・プラスチックフリー店舗の業態開発とビジネスモデル

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