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アルファードが販売台数を伸ばす残価設定ローンの売り方

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JNEWS会員配信日 2021/5/27

 日本の自動車業界では、コロナ禍でもトヨタが圧倒的な強さを見せている。
2020年4月~2021年3月の国内自動車販売台数をみると、上位5位までの車種をトヨタがすべて独占しており、他メーカーを大きく引き離している。新車販売のメーカー別シェアをみても、国産車の中では購入者の7割はトヨタ車を選んでいるという状況である。

《車種別の国内販売台数(2020年度)》

この中でも、トヨタの業績の大きく貢献しているのが、オプション込みの最低価格が400万円以上する高級ミニバン「アルファード」の存在である。現行型は2022年にフルモデルチェンジが予定されているモデル末期でありがらも、年間10万台以上が売れている。

人気の理由としては、個人と法人両方の需要があることに加えて、残価設定型ローンの条件が良いことが関係している。残価設定型ローンは、どのメーカーでも導入しはじめている新たな売り方だが、アルファードは中古市場のリセールバリューが高いため、新車から3年、5年後の車両残価を高く設定することができる。
たとえば、車両購入価格が410万円で、3年後の残価が53%に設定されると、支払い総額は193万円となり、その中で頭金+ローンのプランを組むことができる。

《残価設定ローンの仕組み》

アルファードの中古価格相場(カーセンサー)

残価設定率は、車両を販売するディーラーによっても異なるが、この売り方では3年後または5年後の乗り換え需要が発生することになるため、現金で販売するようりもメリットが大きい。購入者の立場でも、マイカーにかかる毎月の経費を均一化していくスタイルは、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行が進む中でも、普及していくとみられている。

ソフトウエアや消耗品の分野では、毎月一定の料金を課金するサブスクリプション型のビジネスモデルが定着してきたが、自動車、家電製品、他のハードウエアでも、今後は新たな販売モデルを考案することが課題になっている。リース契約で購入される新車販売のシェアも年々上昇しており、20年前には9%未満だったのが、現在は15%にまで伸びている。

《新車販売に占めるリース契約の割合》

ローンやリース契約は毎月の支払い額を一定にできる利点がある一方で、商品の購入額=債務となり、金利の負担も増えることになるため、総支払額でみると割高という欠点もある。そこで新たなテクノロジーを活用しながら、利用した分だ料金を払う「Pay-per-Use型」の販売モデルを考えることが、サブスクリプションビジネスに次ぐ商機として浮上してきている。

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・BaaS型のEVバッテリーレンタルの仕組み
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JNEWS LETTER 2021.5.27
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